3年ぶりに「夏コミケ」開催 人気サークルに朝から4000人の列 1万札が飛び交うオタクたちの祭典
自身の写真集を販売するコスプレイヤー
コミケといえばコスプレイヤーも見どころの一つ。浴衣姿で自分の写真集を販売していた、ゆなまるさんという女性に話を聞いた。「艦隊これくしょん」という戦艦を美少女に擬人化したゲームのキャラのコスプレをしている彼女も営利が目的ではない。
「一冊1500円で売っていますが、フルカラー印刷なんで儲けなんか出ません。男女関係なく『艦これ』好きたちと触れ合うのを楽しみに来ています。今日は70冊を持ち込みましたが、売れる売れないではなく、楽しめればいいかなと」
屋上庭園では撮影会も行われていた。トラ柄ビキニの「ラムちゃん」コスプレ女性に、カメラ小僧が食い入るようにローアングルから撮影している。「じゃあ、ちょっと後ろ向きでお尻を突き出して」「左足をちょっと前に」。鼻息荒く注文をつけるカメラマンに、女性は素直に従いポーズを決めている。
承認欲求
話を聞こうと近づくと、「ちょっと待ってください。炎天下なので少し休憩を入れたいんで」と男性に止められた。
スタッフかと思いきや、彼はただのファン。頼まれて列の整理をしているのだという。これまたコミケあるあるの一つ。男性に許可をもらって女性に声をかけると、彼女はため息をついてこう答えた。
「あー暑くてしんどい。なんでこんな辛い思いをしてタダでこんなことをやるかって、やっぱ承認欲求なんでしょうねー」
午後1時過ぎ。取材を終えて帰路につこうとすると、駅方面から入場口へと向かうウン千もの人波が。1日の感染者数が16万人を超え、重傷者数も更新される第7波の真っ只中にあるが、もはやオタクたちの欲望は抑えきれないようである。