【鎌倉殿の13人】「あんた、やるな」と言わしめた策士「りく=牧の方」の生涯
権謀渦巻く鎌倉の武家政権を描くNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。幕府内での勢力争いはいよいよ激しさを増し、陰謀、裏切り、密告、トラップを縦横に駆使した、ドス黒い抗争劇が繰り広げられてゆくに違いない。なぜ「違いない」のかといえば、史実がそうなっているからだ。【安田清人/歴史書籍編集者】
そんな陰惨な物語のなかで、ひときわ異彩を放っているのが、宮沢りえ演じる「りく」であろう。北条時政の後妻にして、北条氏を御家人のなかでも至高の地位につけ、一族の繁栄を勝ち取るために知恵を巡らせ、夫の時政の尻を叩き続ける、実に痛快な女性として描かれている。...