クラフトコーラはなぜ瓶詰が多い? 知られざる「クラフト事情」をマニアが解説
注目の製造所
先述の通り委託製造の多いクラフトコーラですが、自前の製造設備を有していたり、これから設備を作ろうとしていたりするメーカーも少なくありません。現在私が注目をしている2メーカーを紹介したいと思います。
・UMAMI COLA株式会社
UMAMI COLA株式会社は、麹甘酒を甘味のベースにしたクラフトコーラ「UMAMI COLA」を販売しています。現在は他社にシロップの製造を委託していますが、当初からRTD飲料化、とりわけ缶飲料化を目標にしてきました。そして先日、株式型クラウドファンディングサービス「FUNDINNO」にて自社工場を建設すべく資金募集を開始。目標金額の750万円は開始直後20分で達成し、最終的には開始後15時間で上限応募額の3000万円に達しました。これは私が知る中では、クラウドファンディングでのクラフトコーラの調達金額としては最高額で、いかにUMAMI COLAが世間から注目されているかが分かります。自社工場は2023年に稼働開始予定で、月約20万本の缶飲料の製造を行う見込みです。代表の山田貴久氏は「清涼飲料水業界に『ナチュラルドリンク』という新ジャンルを確立し、UMAMI COLAを日本古来の伝統的なエナジードリンクとして伝えていきたい」としています。
・クラフトソーダ工房COLAND
クラフトソーダ工房COLANDは三重県名張市にあり、「コーラ・スカッシュ」というクラフトコーラを製造販売しています。代表の今陽祐氏は最後まで自分の手で作りたいとの想いから、自前で製造設備を整え清涼飲料水製造業許可も取得。現在では、「クラフトコーラを売りたいけれど設備がない」メーカーのため、コーラ・スカッシュの製造の傍ら、少数ロットでリーズナブルな価格で受託製造を請け負っています。クラフトコーラの製造者の方々は本当に拘りをもって作られているので、委託製造を断ることも多々あります。そのためシロップ製造に特化し、メーカーの親身になって製造を請け負ってくれるCOLANDのような存在は、実は非常に貴重な存在なのです。「困っている人のためになんとか力になりたい」という今氏の想いに、ただただ頭が下がります。
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