拳銃も車も無い時代、人間はゾンビとどう戦うのか? 実は「韓国時代劇」が1番面白い

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 これらのドラマは「ジャンルもの」としての見どころはもちろんだが、韓国ドラマに共通するレベルの高さ、あの手この手のストーリーテリングも超一級である。

「時代劇」で描かれる王宮を舞台に繰り広げられる激しい権力争いは、韓国芸能界を代表する名優たち演じる悪役が、それこそ「梨泰院クラス」の「長家(チャンガ)の会長」よろしくの強烈キャラで登場し、あの手この手で主人公を窮地に追い込んでゆく。

 キャストも豪華である。「キングダム」の主演はアイドル俳優から人気スターになったチュ・ジフン(ドラマ「ハイエナ 弁護士たちの生存ゲーム」)&ペ・ドゥナ(映画「ベイビー・ブローカー」)、「恋慕」は現在ネットフリックスで大ヒット中のドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」のパク・ウンビン&アイドルグループ「SF9」のメンバー、ロウンで、「王になった男」は、天才子役出身のヨ・ジング(ドラマ「ホテル・デルーナ」)&名優キム・サンギョン(映画「殺人の追憶」)という顔合わせだ。

 もちろん「時代劇独特の」という形容がふさわしい韓国時代劇もある。時代劇の作家と監督のタッグで作られる、いわゆる「大河もの」である。この辺りの作品は、作品全体で60話~80話、時には100話を越える。だがそうした作品であっても、ラブラインといわれる恋愛要素や、まったくもって時代劇的でないドタバタな笑いも仕込まれている。史実ベースながら大胆な想像力で物語を飛躍させ、それこそ見始めたら面白くて止まらないのだ――とはいうものの、さすがにここまで長いとお勧めするのもハードルが高い。ということでまずは16話~20話で完結するフュージョン時代劇をご覧いただけたらと思う。韓国ドラマのさらなる面白さを、必ず実感できるはずだ。

渥美志保(あつみ・しほ)
TVドラマ脚本家を経てライターへ。女性誌、男性誌、週刊誌、カルチャー誌など一般誌、企業広報誌などで、映画を中心にカルチャー全般のインタビュー、ライティングを手がける。yahoo! オーサー、mimolle、ELLEデジタル、Gingerなど連載多数。釜山映画祭を20年にわたり現地取材するなど韓国映画、韓国ドラマなどについての寄稿、インタビュー取材なども多数。著書『大人もハマる韓国ドラマ 推しの50本』が発売中。

デイリー新潮編集部

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