「爆破シーン」体験ツアーが大人気 特撮や西部警察ファンにはたまらない? 企画した旅行代理店に聞いた
あの爆破シーンを再現
特撮のテレビシリーズで爆破と言えば、「スーパー戦隊シリーズ」を思い出す人がいるかもしれない。
「秘密戦隊ゴレンジャー」(1975年)から始まり、現在は「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」(テレビ朝日系列・日・9:30)が放送されている。このシリーズでヒーローたちは、巨大な火柱をバックにポーズを決めることが多い。
刑事ドラマで筆頭に挙げられるのは、「西部警察」(テレビ朝日系列・1979~1984年)だろう。サーチエンジンに「西部警察 爆破」と入力し、画像検索をすれば、懐かしい大爆発が何枚も表示される。
確かに、これは“ニーズ”がありそうだ。おまけに、誰でも簡単に再現できるものではない。当たり前だが、ツアーでは特撮作品で爆破を担当している技術スタッフや、火薬を扱う技能認定を取得した専門家がセッティングを行う。
「テレビや映画でおなじみの爆発シーンをバックに、自分の姿を写真や動画に収めたいという人は少なくありません。観光ツアーが話題になるのは当然ではないでしょうか」(同・ライター)
ヒットを確信した課長
当然だとはいえ、奇想天外な企画なのは間違いない。どうやってこんなにユニークなツアーを考えついたのか、読売旅行のテーマ旅行企画グループ課長、佐々木浩二さんに話を聞いた。
「企画の原点としては、たまたま今年の4月、大学生の話を聞く機会があったんです。コロナ禍で依然として授業はリモートが続いており、なかなか友達もできない。辛い状況に心を動かされ、それがずっと記憶に残っていました」
すると同じ頃、大学生との会話とは全く関係なく、宇都宮営業所長から情報提供がもたらされた。
「『戦隊シリーズに出てくるような爆破を体験できる場所が、栃木県にあるそうなんです』と連絡をくれました。私も『面白そうだな』と思って、営業所の所員と一緒に体験してみることにしたんです」(同・佐々木課長)
さっそく爆破体験を申し込み、岩船山の採石場跡地に向かった。現場では担当者が、風向きや距離を入念にチェックする。そのため危険というイメージは全くなく、「わくわくドキドキ」していたという。
「ところが、実際に爆破が行われると、凄まじい轟音に身動きすらできませんでした。予想を遥かに超える迫力に心から驚きましたが、次の瞬間、『爆破体験ができる観光ツアーを企画すれば必ずヒットする』と閃いたんです」(同・佐々木課長)
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