愛工大名電の「不可解な采配」に疑問の声…痙攣したエースを続投させる必要があったのか?
ベンチで治療後も続投
熱戦が続く夏の甲子園で、一回戦屈指の好カードとして注目されたのが、8月7日に行われた愛工大名電(愛知)と星稜(石川)の強豪校同士の一戦だ。両チームに実力がある選手が多く、接戦になるかと予想されたが、蓋を開けてみると、愛工大名電が2回まで10点を奪う猛攻で、14対2と星稜を一蹴した。その一方で、愛工大名電に“不可解な采配”があったことを指摘せざるを得ない。【西尾典文/野球ライター】
【写真】社会問題にもなった「球児・松井秀喜」 5打席連続敬遠の様子 構えや雰囲気はもうすでに“ゴジラ”
愛工大名電は、6回に84球目を投じたところで、脚が痙攣して、一時ベンチで治療を受けたエースの有馬伽久を8回まで投げ続けさせたのだ。試合はこの時点で11点差がついており、愛工大名電の絶対的な優位だった。
さらに、チームには有馬以外にも5人の投手がいる。この日、ファーストを守っていた山田空暉や、中日の元守護神・岩瀬仁紀の長男である岩瀬法樹などは球速140キロ以上を誇る実力者である。それにもかかわらず、試合終盤まで有馬を続投させたことに対して、ネット裏の記者席からも疑問の声が多くあがっていた。
試合後のインタビューで、チームを指揮する倉野光夫監督は、有馬の続投について報道陣から質問が飛ぶと、以下のように説明した。
「どこで交代させるのか、最後までいかせるのか、中盤からは試合を見ながらやっていました。脚を痛めるアクシデントがあっても本人は大丈夫、最後までいきますと言うことなのでいけるところまでいけと。よく投げてくれました」
一方、有馬はインタビューで「今日も球数は多くなりましたけど、肩や肘など疲れはないです。中盤で脚が攣って、(監督からも)無理して投げるなということは言われたんですけど、初戦は自分が最後まで投げ切りたいという気持ちが強かったです」と語っている。
[1/2ページ]