「天才美少女役」ばかりの平手友梨奈の強さと弱さ 橋本環奈との“意外な共通点”とは?

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 前評判では散々な言われようだった「六本木クラス」が復調の兆しを見せている。生き生きしたキャストの演技や、主人公の反撃に向けて味方が集まり始めた展開など、「だんだん面白くなってきた」とハマる人が続出しているようだ。

 演出が安っぽい、キャストイメージが違う、六本木に唐揚げ?など、当初はケチしかつけられていなかった中、唯一評価されていたのが麻宮葵役の平手友梨奈さんではないだろうか。原作者も太鼓判を押したというルックスのハマり具合や、生き生きした演技にSNSは沸いた。大人気インフルエンサーという役柄ならではの、凝ったファッションへの注目度も高い。

 正直に言うと、平手さんの「天才でソシオパスの美少女インフルエンサー役」と聞いて、「あーはいはいまたそのパターンね」と思ってしまった。平手さんの役柄は、いつも固定化されているからだ。「響-HIBIKI-」「さんかく窓の外側は夜」「ドラゴン桜」……原作ものの実写化で、飛び抜けた才能を持つ孤高の美少女役ばかりだ。世間が彼女に持つイメージと、ほぼ同じだろう。一部報道では事務所の反対を押し切ってまでこの役にこだわったというが、もし事実なら事務所の心配もわかる。特定のイメージに縛られるのはもったいない。また、周囲や世間が凡庸で悪者だと描かれる話ばかりでは、「『天才のわたしを理解しない世間が悪い』とでも言いたいの?」と曲解するアンチも増えるだろう。

 しかし本家版を一通り見て思った。平手さん、もしかすると今回ばかりは違うかもしれないと。そしてこの役が、ひとつの彼女の分岐点になるかもしれないと。

 葵というキャラと、平手さん本人のイメージのシンクロ率は確かに高い。でも、これまでの天才役と違うのは、「誰かのために」を徹底するヒロインということではないか。今までは、主に「自分の成長のために」殻を破ろうともがく姿に焦点が当たることが多かった。でも今回は、主人公・新の復讐と成功に比重が置かれ、彼女の成長やチートぶりは深堀りされない。最も価値がないはずの恋愛に、最も価値があると信じてきた自分の人生を懸ける。それは恋愛ドラマでは王道だが、平手さんが演じてきた「天才」には無かった要素だ。彼女にとっては「いつもの当たり役」ではなく、実は「最も平凡な女の子」役に挑んでいるともいえるのではないだろうか。

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