「老人ホームは現代の姥捨て山」 利用者が気を付けるべき施設の「キラーワード」は? プロが明かす
「老人ホームは現代の姥捨て山」 プロが教える施設の選び方と「転ホーム」のススメ(前編)
人生100年時代、自宅で生涯を全(まっと)うできるとは限らず、「終(つい)の棲家(すみか)」として老人ホームの存在感は増すばかりだ。だが、この考え方自体に過ちが潜んでいるという……。入居世代である「親」、そしてその「子ども」がともに知っておくべき現実と「転ホーム術」とは。【小嶋勝利/老人ホームコンサルタント】
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「自分の子どもに迷惑はかけたくない。いずれ私も老人ホームに入ることを覚悟しなければ、いや入らなければ……」
人生100年時代を迎え、まさに人生を終える「寿命」と、自立的に生活できる「健康寿命」の間に、10年から20年の“タイムラグ”が生じる人も少なくありません。その期間の一部を、老人ホームに入って過ごすことで、我が子にかかる負担を減らしたいと考える。当然の「親心」といえるかもしれません。
しかしこの考え方にこそ、現代における「老人ホーム観」の決定的な過ちが潜んでいると私は考えます。
「自分ファースト」でなく「子どもファースト」に
子どもに迷惑をかけないために……。
これは偽らざる親心であるといえるでしょう。しかし同時に、老人ホームに実際に入居する高齢者の視点に立てば、「自分ファースト」ではなく「子どもファースト」で自らの人生の最後を過ごすことを意味します。つまり、そこに「親の意思」が存在していない。
考えてみれば不思議なことです。繰り返しになりますが、老人ホームに入居するのは親であって、子どもではありません。本来、入居者である親がどうやって快適に過ごせるかが、老人ホーム選びの最大の基準であるべきでしょう。
にもかかわらず、現状はそうはなっておらず、子どもの都合で決められてしまっている。老人ホームに入居「している」のではなく、「させられている」のが実態なのです。
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