今の若者に「絶対かけてはいけない言葉」3選 褒めることすらNGな理由とは

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爆弾を抱えた学生はどうするか

 一方、「あ、じゃあ君、はい」と言って、たまたま近くにいた学生Bに渡すのは頻繁に見られる行動だが、できれば避けたほうがいい。学生Bはもちろん受け取る。それを拒否するような積極的自己主張を、今までしたことなどないからだ。この時点でAさんはバターサンド爆弾の恐怖から解放される。

 問題は爆弾を抱えた学生B。彼/彼女はあくまで匿名者として仮預かりしたに過ぎないという自己暗示のもと、多くの場合はそのまま先生に渡そうとするだろう。ただし、

「先生、Aさんが来て、これを預かりました」

「そうなんだ。でもこっちに持ってきても仕方ないじゃないか。皆で食べたらいい」

 と返されるのがオチだ。これはまずい。学生Bの苦悩は続く。バタサン爆弾爆発の時は近い。場合によっては、やむなくゼミ室の机の上に放置したまま賞味期限を迎えることだって十分あり得る。

まじめでいい子だけど

 私は、新著『先生、どうか皆(みんな)の前でほめないで下さい』(東洋経済新報社)の中で、こうした昨今の若者の行動や心理的特徴を「いい子症候群」と表現し、さまざまなエピソードやデータとともに解説している。

 かく言う私は、現役のモチベーション×イノベーション研究者だ。イノベーション創出をリードする人材の養成をミッションとしている。若者を教育していく中で、気付いた特徴の一部をここでも紹介したい。彼らがそのような行動を取るようになった理由は先の本を参考にしていただくとして、要約すると、現在のいい子症候群の若者たちの特徴は次の通りだ。

「いい子症候群の若者たち」の行動特性(その1)

・素直でまじめ

・受け答えがしっかりしている

・一見さわやかで若者らしさがある

・協調性がある

・人の話をよく聞く

・言われた仕事をきっちりこなす

・飲み会に参加する

 こういった行動特性から、世間ではよく、最近の若者のことを「素直でいい子」「まじめでいい子」と評する。そのような姿勢から「今年の新入社員は優秀だ」と春から夏にかけてうわさされることも、もはや毎年の恒例行事のようだ。

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