今の若者に「絶対かけてはいけない言葉」3選 褒めることすらNGな理由とは
穏便こそ人生の最も尊い価値
それは、そこに「責任」が発生するからだ。何をバターサンドで大げさな、と思うかもしれないが、それが昨今の若者たちの心理的特徴なのだ。そのバターサンドにどんな深刻な責務が発生するのか、いまいちピンとこない人のためにスペースを割いて解説しよう。
仮にそのバターサンドが12個入りだったとしよう。今その場にいるのはあなたを含めて9人だから、1人1個ずつ配ったら3個余る。この3個の処置は極めて重大だ。先輩たちを入れたら逆に足りなくなってしまう。これはさらに深刻だ。自分がそんな渦中に巻き込まれることは断じて避けなければならない。つまり、1人1個配布作戦は穏便ではない。穏便こそ人生の最も尊い価値。とはいえ他に名案はない。このバターサンドは、今まで保険に保険をかけて生きてきた人間関係を窮地に追いやる超ハイリスクアイテムに他ならない。
と、そんな心理が瞬間的に作用した結果が、先の「(3)固まる」というリアクションになる。
「匿名化」に徹する学生
さて、再び時計の針を動かそう。「よかったら皆さんで」とAさんが言った後、「固まる」のが学生にとって正解だということは、とりあえず分かったことにしよう(読者の皆さんは大人です)。それでは、その気まずい空気は一体どうなるのか。
この状況、最も耐え難いのが実はAさんだ。この「固まる合戦」において、歴戦の「固まる勇者」たちを相手にAさんに勝ち目はない。何より今この瞬間、学生9名は「匿名化」に徹しており、唯一「実名」で行動しているのがAさんとなる。もはや1%の勝ち筋すらない。
そんなAさんに私からアドバイス。
ここは「あ、じゃあ後で先生に渡しておきます」というのが大正解。一気に空気が氷解する。
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