今の若者に「絶対かけてはいけない言葉」3選 褒めることすらNGな理由とは
手土産を受け取る学生の反応クイズ
と、ここからが本題だ。
あなたは今、同じゼミに配属された同級生8名と談笑している。そこへ共同研究相手のAさんが顔を出し、「こんにちは~。出張に行ってきたから、これお土産です。良かったら皆さんで」と、紙袋を持ち上げて見せてくれた。
はい、そこでストップ。ここで問題です(いきなり)。この次の瞬間、どんなことが起こるでしょう?
と、聞かれても難しいと思うので、選択肢を用意した。なお、初期設定として、ちょうどその時間は、ゼミ長を含む先輩らと先生は別室で打合せをしているとする。
(1)「わー、ありがとうございます!」と言って、Aさん(というよりその手土産)にゼミ生が群がる
(2)あなた、あるいは他のゼミ生が「あ、わざわざすみません。ありがとうございます」と言って、手土産を受け取る
(3)全員が固まる。つまり、ほぼノーリアクション。正確には、本当にリアクションがない人半分と、同級生の方を見たりする人半分
さて、改めてあなたが抱いたイメージはどれに近いだろうか?
(1)をイメージしたあなたは、おそらく社会人の中ではベテラン勢だろう。“若者といえば”というイメージをストレートに反映したのが(1)になる。(2)はいかにも“普通”という感じの状況か。(3)は、何というか、ちょっと失礼だ。いや、だいぶ失礼だ。と感じる人も少なくないだろう。
それでは、今の大学生にとって、最も起こりやすいのはどれか?
手土産は恐怖の対象
答えは(3)だ。この失敬千万極まりない状況を、実際に私は何度も目の当たりにしてきた。逆に、手土産を持参した人がよっぽど仲のいい人でない限り、最も若者感満載の(1)の状況を、私は最近ほとんど見ていない。
ここで大事なのは、その理由だ。なぜ(3)なのか。仮にその手土産を個包装されたバターサンドだとしよう。ホールケーキやバウムクーヘンだと切り分けるのが大変だろうからと、企業の人もいろいろと気を使ってくれる。それでもなお、(3)の出現頻度は変わらない。それはなぜか。
それは、今の大学生が傍若無人な無礼者だからでも、常識知らずだからでもない。むしろ、そういった対人関係における礼儀は、このコロナ禍においても損なわれておらず、「2022年度入社の新人のレベルは向上している」という記事も散見される。
学生のバターサンドに対するリアクションが薄い理由、それは「自分が代表して受け取ることが怖い」からだ。誤解を恐れず、ストレートに表現しよう。この状況において、バターサンドは恐怖の対象でしかない。それはなぜか?
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