京都の「百寿者の町」秘密は最強の善玉菌・酪酸菌だった 高齢者の腸内フローラに驚きの特徴が

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「当たり前のこと」が大切

 つまるところ、何か「スペシャルな食生活」をしているわけではなく、現代人が好む動物性のタンパク質や脂肪、あるいは砂糖をたっぷり含んだ極端に甘いものといった“体にわるいもの”をほとんど取っていない。この「当たり前のこと」も、京丹後の長寿に大きく貢献しているといえるのではないでしょうか。

 腸内フローラとは、人がどのような環境でいかなる食生活を送ってきたかが反映される、いわばその人の人生そのものです。京丹後の百寿者たちを参考に、腸内細菌と健康長寿を考え直す際には、この点を思い返していただければと思います。

 つまり、「これさえ食べれば」という“特効薬”は存在しない。食は人生なり。やはりその人の「生き方」が長寿か否かに大きな影響を与えるのです。

内藤裕二(ないとうゆうじ)
京都府立医科大学大学院医学研究科教授。1983年、京都府立医科大学卒業。2001年、米国ルイジアナ州立大学客員教授に。その後、京都府立医科大学附属病院内視鏡・超音波診療部部長などを経て21年より現職。消化器病学、抗加齢学、腸内細菌叢等を専門とする。『人生を変える賢い腸のつくり方』など著書多数。

週刊新潮 2022年7月21日号掲載

特別読物「『百寿者の町』には秘密があった! 乳酸菌でもビフィズス菌でもない 長寿を叶える“最強の善玉菌”『酪酸菌』の食生活」より

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