中国の「極超音速ミサイル」に日本の最先端技術を流用か 注意すべき「スパイ留学生」の実態

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特定の特許出願を非公開とすべき

 四つ目の技術特許の非公開は重要だ。現行制度では、新たな発明は出願から1年6カ月を経過すると一律に公開される。仮に国の安全保障に関わる重要な発明であっても、一定期間が過ぎれば世界中に公開されてしまうのだ。実際に公開された特許情報が外国により核兵器の開発に利用された例もあると聞く。だからこそ、特定の特許出願を非公開とし、国内外への安易な流出を防ぐ必要がある。

 経済安全保障推進法は成立したが、日本が抱える課題はいまなお山積している。政府は一刻も早く、同法の不備を改め、実効力あるものに強化しなければならない。

平井宏治(ひらいこうじ)
日本戦略研究フォーラム政策提言委員。1958年神奈川県生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。外資系投資銀行、M&A仲介会社などを経て、 2016年から経済安全保障に関するコンサル業務を行う株式会社アシスト代表取締役社長。2020年から日本戦略研究フォーラム政策提言委員。著書に『経済安全保障リスク』『トヨタが中国に接収される日』がある。

週刊新潮 2022年7月21日号掲載

特別読物「市民生活にも脅威の『経済安全保障リスク』とは 中国『大軍拡』は日本の技術の賜物」より

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