中国の「極超音速ミサイル」に日本の最先端技術を流用か 注意すべき「スパイ留学生」の実態

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台湾が侵攻された場合、石垣島なども攻撃対象に

 では今後、中国が台湾の侵攻に踏み切った場合はどうか。人民解放軍の矛先は、彼らが「台湾の一部」と公言する尖閣の島々に留まらず、石垣島や西表島、宮古島を含む先島諸島の全域も攻撃の対象になるだろう。

 調査会社の帝国データバンクによると、2020年1月時点で中国(香港とアモイを除く)に進出している日本企業は1万3646社に上る。2022年2月時点でロシアに進出している企業は約370社というから、実に36倍以上の規模だ。それだけに有事の際には多くの日本人が中国当局に拘束されたり、行方不明になることが予想される。中国内に保有している資産や施設などが取り上げられれば、経営には甚大な影響が及ぶ。場合によっては倒産という事態にもなりかねない。

「強力な反撃・威嚇力を形成」

 さて、わが国の経済安全保障推進法である。一つ目のサプライチェーンの強化とは、既存の供給網の脆弱性を確認し、それを修正・補強することだ。半導体や医療品をはじめ、一旦供給が途切れたら国民生活が破綻するものは供給網の安全を確保し、常にリスクを分散させ、必要に応じて回避していくことが必要だ。

 過去20年で世界経済のグローバル化は飛躍的に進行した。「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」は、国境を越えて自由に行き来する時代とされ、日本からは多くの工場が中国や東南アジアなどの海外に移転し、国内にあった生産拠点は閉鎖された。一方で、一昨年4月には中国共産党中央委員会の機関紙「求是」が、習近平総書記の「産業の質を高めて世界の産業チェーンのわが国への依存関係を強め、外国による人為的な供給停止に対する強力な反撃・威嚇力を形成する」という指示を報じた。

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