安倍昭恵夫人の“国賓レベル”の警護はいつまで続くのか 元SPは「通常、夫人は対象外」

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山口県警にかかるプレッシャー

 そんな昭恵夫人の警護体制について、伊藤氏の見立てはどうか。

 先月25日には、東京・千代田区の首都高速道路上で、昭恵夫人が乗る車両に後続の警護車両が衝突するという事故が起きた。奇しくもこの衝突事故によって、昭恵夫人が警視庁の警護対象であることが判明したわけだが、

「昭恵さんが乗る車に追突したのは、エスコートカーと呼ばれる、いわゆる覆面パトカーでしょう。恐らく昭恵さんの車にも警視庁のSPが同乗していたはずですので、昭恵さんが都内を移動する際には数名のSPが警護に当たっているということでしょう」(同・伊藤氏)

 山口入りの際にも、飛行機に同乗したのは警視庁のSPと見られる。

「東京の自宅から空港までは警視庁のSPが付いていき、そのうち数名は山口まで帯同したのではないでしょうか。山口空港に着いた後は山口県警の警察官が警護に当たったはずです」(同・伊藤氏)

 先の記者によると、山口入りした後は常に10人程度の警察官が昭恵夫人の警護に当たっていたようだ。

「山口県警にとっては昭恵さんの山口入りは大きなプレッシャーだったはずです。何かが起こってからでは遅いですから、念には念を入れた体制を敷いたのでしょう」(同・伊藤氏)

安倍邸だけ特別な警備

 ちなみに、他の首相経験者とは異なり、安倍元首相には首相退任直後から厳重な警備が行われていたという。

「女性自身」の当時の報道によると、辞任からおよそ2カ月経った2020年11月時点で、渋谷区内の自宅マンション前の道路は、警察官やバリケードによって封鎖されており、機動隊車両4台が待機するという異例の状況だった。伊藤氏もその様子を振り返る。

「既に退いた首相の私邸前の様子とは思えないほど、物々しい警備でした。理由は定かではありませんが、例えば脅迫などの情報が警視庁に入った場合には、一時的に警備を強化することがありますから、何らかの事情があったのかもしれません。その後、銃撃事件が起こる1カ月ほど前に、たまたま安倍邸の近くを通った際には、ポリボックスの中に警察官が1人いるだけと、他の首相経験者と同レベルに戻っていました」

 なお、先の「女性自身」の記事では、安倍邸の警備費用を「人件費だけでも1年間で2億円」と算出している。

 少なくとも事件の1カ月前には、安倍元首相に対する特別な警備体制は解かれていたということなのだろう。その後、7月8日に奈良市で演説中の安倍元首相が銃撃される事件が起き、近くで警護に当たっていたSPの責任を厳しく追及する声が上がった。

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