安倍昭恵夫人の“国賓レベル”の警護はいつまで続くのか 元SPは「通常、夫人は対象外」
今月1日、安倍晋三元首相の銃撃事件後、初めて地元・山口県入りした昭恵夫人(60)。支援者らと共に馴染みの飲食店や安倍家の墓を訪れた。彼女を行く先々で警護したのは10人程度の警察官だった。この超厳重な警護体制は妥当なのか、専門家に聞いた。
【写真】車両3台、警官10人以上の超厳戒態勢のなか山口入りした昭恵さん
VIP専用の出入り口を利用
昭恵夫人の山口入りを取材した記者は、厳戒態勢ぶりについて次のように語る。
「羽田空港で昭恵さんは、一般客が全員搭乗した後、地上バスから直接機内に乗り込み、最前列にSPと一緒に着席しました。一般客がいる搭乗ゲートを使わなかったのは、警備上のリスクを避けるためでしょう」
山口宇部空港に到着後も、真っ先に飛行機からSPと降り、一般客と違う動線を使ってVIP用の出入り口から空港を後にした。まず向かったのは、後援会関係者らが待つカレーショップだった。
「昭恵さんの乗ったワンボックスカーは、山口県警の警護車両などに挟まれて、計4台の車列を作って空港を出発しました。ほどなくして着いた先で、後援会関係者らと昭恵さんが会食する間、店の周辺を10人くらいのスーツ姿の警察官がガード。現場には私とカメラマンしかいませんでしたが、1人に対し、2人の警察官がベタ張りするような感じでした」(同・記者)
その後、昭恵夫人は、再び車列に守られながら長門市油谷にある安倍家の墓に向かった。
「100人近い支援者が待つ墓所でも、入口で待ち受ける2人の制服姿の警察官から検問されました。警戒ぶりだけ見れば、国賓が来ているんじゃないかと勘違いするほど。本気を出せば警察はとことんやるんだなと、感心すらしましたね」(同・記者)
昭恵夫人に対する万全の警備にかかる費用は、当然、税金から支出されている。不測の事態を防ぐためとはいえ、その額は相当なものだろう。
通常、元首相夫人に警護は付かない
そもそも元首相夫人の警護は、どのように行われるのだろうか。警視庁警備部警護課で6年間SPを務め、小渕恵三元首相の警護を担当したこともある、身辺警護SP学院の伊藤隆太氏に聞いた。
「一般に首相経験者には、本人が辞退しない限り、数名のSPが付き警護に当たります。一方で、元首相の夫人や家族にSPが付くことは基本的にはありません。夫人を伴う国際会議の場などは、SPが夫人を含め警護対象とする場合もありますが、あくまで例外です」
[1/3ページ]