白石麻衣の自衛隊ドラマのリアリティーは? 元自衛官・福島和可菜が語る
「才色兼備な自衛官は同期や先輩にもいた」
「入隊してからの流れとか実際の訓練の様子など、とても分かりやすく描かれていると思いました」
そう話すのは、陸上自衛隊出身のタレント・福島和可菜(39)だ。2001年から4年間、北海道の要衝・旭川駐屯地の野戦特科部隊を経て広報業務などにも携わり、芸能界へと転じた異色の経歴を持つ。
「ドラマのさまざまなシーンを見ていると、こんなこともあったなぁと、とても懐かしい思いに浸っています。私も入隊後は1部屋4人の相部屋で規律正しい団体生活を送っていて、基本的に土日は休みなのですが、駐屯地の外に出られる日は不定期でした。駐屯地内には隊員クラブといって余暇の時間に飲酒ができる施設もありました。ドラマでも隊員が足を運び仲間と杯を重ねるシーンがありましたが、私もお酒好きだったので、現役時代はそこへ行くのがとても楽しみでしたよ」
ただ、街中に白石麻衣のような女性がなかなかいないのと同じで、やはりドラマのキャスティングは現実離れしているのでは……。
改めて尋ねてみたところ、
「当時から誰もが憧れる才色兼備な女性自衛官は同期や先輩にもいました。中には筋骨隆々な方もいましたが、キレイな女性が多かった。私自身、上司から“自衛隊のPRも兼ねて『ミス旭川コンテスト』に出場してみたらどうだ?”という言葉を頂き応募したこともあります。結果は最終選考で落ちてしまいましたが(笑)。それがきっかけとなり、周囲に推される形で今の仕事に就いた面もあります。私は4年で自衛隊を離れてしまいましたが、さまざまな訓練や貴重な経験を通じ体も心も鍛えられ学ぶこともできたので、自衛隊に入隊してよかったと感じています。ドラマを通じて自衛隊への理解が深まり興味を持っていただいたり、入隊希望者が増えてもらえたらとても嬉しく思います」
「海猿」効果で海上保安官の応募が急増したことも
実際、防衛省では14年度から4年連続で自衛官の採用計画人数が下回ったのを受けて、18年には採用年齢の上限を26歳から32歳に引き上げると決めたほど。以降も採用者数の確保が大きな課題になっているという。
芸能担当記者によれば、
「かつて海上保安庁の潜水士を描いた連載マンガ『海猿』が、俳優の伊藤英明主演でドラマ化された際、海上保安官の応募者数が急増したことがありました」
世界情勢が混沌(こんとん)とする今の世だからこそ、自衛官の重要性は高まるばかり。はたして白石は悩める防衛省の救世主となり得るか。