「ロッキー」のモデルと呼ばれる無敗の王者「ロッキー・マルシアノ」 23歳でプロ入りした苦労人生(小林信也)
シルベスター・スタローンが主役を演じ、世界的大ヒットとなった映画「ロッキー」が公開されたのは1976年。アメリカが建国200年祭に沸いた年だ。無名のボクサー、ロッキー・バルボアが、世界ヘビー級王者アポロ・クリードの挑戦者に抜擢され、圧倒的不利の予想を覆し大善戦する物語。
この映画には、二人のモデルがいるといわれる。ひとりは、75年3月、王者モハメッド・アリに挑戦した白人ボクサーのチャック・ウェプナーだ。
当時スタローンは、俳優を志しながら幾度受けてもオーディションに受からず、用心棒などの仕事で食いつなぐ、貧しい若者だった。...