なぜ「激辛」を見ると無駄な挑戦をしてしまうのか 良識派からすればバカの所業(中川淳一郎)
辛い食べ物ってのに対し、なぜかくも無駄な挑戦をしてしまうのでしょうか。
先日、唐津のまぜそばの店に行き同店のMAXである「10辛」を食べたんですよ。そうしたらそこまで辛くはない。
速報PR会社女性社長は「キラキラに見えてドロドロ」 斎藤知事当選の立役者の素顔を親族が明かす
店主に「さらに上はあるんですか?」と聞いたら不敵な笑みを浮かべ「裏メニューで12辛まである」と言うではありませんか。なぜ「20辛」ではなく「12」なのか、という疑問はさておき、次回行った時はとりあえず「11辛」の実力を見ようと思ったら、これがとんでもない代物でした。
11辛からは、世界一辛い唐辛子とされている「キャロライナ・リーパー」の粉末が入っていて、食べた瞬間は「ウハハハハ、辛党のオレ様にはどうってことねぇ!」と思ったのですが、数秒後、猛烈な辛さが襲ってきました。これはヤバい。「11倍」を謳ってはいるものの、多分「30倍」です。「12倍」は「60倍」でしょう。こりゃ今後は、10辛でいくしかない。
昔、「TVチャンピオン」(テレビ東京系)という番組で、「激辛王選手権」がありました。第3回激辛王選手権では、予選で「特辛子煎餅」をどれだけ食べられるかを競い、本選1回戦では「特製赤池地獄スペシャル」というラーメンを、参加者が汗をかきながらひたすら食べ続ける。
良識派からすれば完全にバカの所業ですが、「激辛道」の求道者からすれば、これは実に尊い行為なのであります。飲食店のメニューに「1辛~10辛まで用意しています」なんて書いてあったら「よし、10辛、頼んでやるぜ」となるのはチャレンジャーとしては当然のこと。
今回私はそれを制覇したわけですが、その上を提案されたため、「よっしゃー、オレ様に食えない辛いものはないぜ!」とばかりに「11辛」を頼み、見事に撃沈。
しかし、この手のことは過去にも経験しているんですよね。千葉県南船橋に台湾料理のとある名店があるのですが、会社員時代の私はクライアントが船橋にいたため、毎月この店へ行っていました。酸辣湯麺とチャーハンのセットがあり、「辛くできます」の注記が見えます。私が初めて行った時「少し辛くしてください」とお願いをしたところ、他の人よりは辛く感じた程度。会計時に「まったく辛くなかったです」と伝えたら「じゃあ、次はもっと辛くするよ!」と言われたのですが、次回もあまり辛くない。
毎度「辛くない」「次は辛くする」の攻防を経て10カ月後、すさまじい辛さがやってきました。酸辣湯麺のスープをれんげで飲み、それでチャーハンを一口食べたらこれまでにないレベルだった……。両方とも少し食べただけで完全にギブアップしてしまったのです。
この時私は店主に対して「ごめんなさい、負けました」と言いましたが、今回の唐津のまぜそば「11辛」はそれ以来の「負けました」でした。
正直、辛さ勝負なんてするのバカなんですよ。おいしい辛さがあるのになぜか挑戦してしまう。それはさておきTVチャンピオンでは「汗かき王選手権」もありました。高温の中、汗の量を測る勝負ですが、コレ、汗っかきの私は次があれば勝負したい。やっぱ、勝負事ってバカですよね。