「女詐欺師」の新たなエサは「新型コロナワクチン」開発 山崎元副総裁は「名前を利用された」【後編】

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騙しの方程式

 ところが、卸会社社長によれば、

「調査結果が伝えられたとされる時期、清水さんの口ぶりはいよいよアルフレッサとの契約が本決まりになりそうだというものでした。しかし、そこまで具体的な話をしながら、それ以降はまったく進展しなくなった。清水さんは、園田秘書とアルフレッサの連携がうまく行ってないなどと言い訳をしていました」

 卸会社社長は、伝手を頼って園田秘書に確認したところ、騙されたとわかったのだ。実は、卸会社社長から1300万円を騙し取る一方、絵夢氏は別の「医療ビジネス」にも触手を伸ばしていた。のちに証券取引等監視委員会から金商法違反(偽計)の疑いで強制調査を受けたジャスダック上場企業「Nuts(ナッツ)」の医療関連事業に参画し、その一環として、ナッツの子会社「AIPL(アジュバント・イミュニティプロベスラボラトリー)」顧問に自見元参院議員を招聘したのだ。

 虚偽の情報開示をした疑いのあるナッツとタッグを組み、絵夢氏は何を目論んだのか。結論から先に言えば、「中国人富裕層向けの医療ツーリズム」と「新型コロナワクチン」開発ビジネスだった。それらのビジネスも、案の定、頓挫するのだが、絵夢氏が「騙しの方程式」に組み込んだのは、やはり山崎元副総裁だった。

 当の山崎元副総裁に訊くと、

「彼女には名前を利用されました。もう一切会わないし、完全に関係断絶します」

「週刊新潮」2022年6月25日号/7月2日号「MONEY」欄記事を再構成した有料版では、被害者複数名の証言をもとに絵夢氏の手口を詳報する。なお、絵夢氏は取材拒否であった。

週刊新潮 2020年6月25日号/7月2日号掲載

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