「女詐欺師」の新たなエサは「新型コロナワクチン」開発 山崎元副総裁は「名前を利用された」【後編】
門前払い
二瓶絵夢(にへいえむ)。特徴的な名前を持つこの女性はもともと、小泉訪朝を機に北朝鮮拉致問題の取材を始めたフリーのジャーナリストだった。取材を通じて政界にもパイプを築き、「人を騙す」習慣に染まった彼女は、結婚して清水絵夢と名を変え(※2020年6月時点。現在は清水から別の姓へと変わっている)、「ペテンの世界」で蠢いた。その足跡を前編に続けてお届けする。(以下は「週刊新潮」2020年6月25日号/7月2日号「MONEY」欄記事を再構成)
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愛人に「変態プレー」を赤裸々に暴露された影響で、自民党の山崎拓元副総裁が選挙に敗れ、代議士の座を失ったのは、2003年11月のこと。しかし、東京地検特捜部に逮捕された過去を持つ「女詐欺師」はその政治力を未だに利用できるかのように装った。本来、輸出用の卸売販売が規制されている武田薬品製の糖尿病治療薬「ザファテック」などの中国への転売を、絵夢氏は医薬品の卸会社社長に持ち掛けて、1300万円を騙し取ることに成功したのである。
その「騙しの舞台」の二人目の役者として、絵夢氏が卸会社社長に引き合わせたのは、日本医師会推薦候補の自見庄三郎元参院議員だった。実娘である自見はなこ厚労大臣政務官の園田弘幸秘書に、医薬品卸大手「アルフレッサ」の医薬営業部渉外担当部長と「個人的な相談事」レベルの交渉に当たらせた。その園田秘書の証言から、絵夢氏が卸会社社長に伝えていたことはすべて真っ赤なウソだったと判明する。
園田秘書の話。
「清水さんが送ってきた卸会社の販売先10社のリストをアルフレッサの部長に郵送したところ、2カ月後に調査結果を伝えられました。それによると、問題企業2社が含まれていた」
当然、アルフレッサが卸会社社長と契約するわけもなく、門前払いされたことを絵夢氏に伝えたという。
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