「小泉総理の盟友」山崎拓を“共犯”に「女詐欺師」再び 日本医師会推薦の元参院議員も“加担”【前編】
ザファテック
ところが、結婚して清水絵夢と名を変えた彼女は(※20年6月時点。現在は清水から別の姓へと変わっている)、詐欺の舞台装置を不動産から医薬品に替え、山崎元副総裁とタッグを組んでいた。
被害に遭った医薬品の卸会社社長によると、糖尿病治療薬の「ザファテック」は中国では未認可であるため、武田薬品工業による「輸出用」の卸売販売は規制されている。しかし、一方で中国におけるザファテックの需要は高く、仕入れられれば日本の薬価の3倍以上で中国の医薬品業者に転売できるという。
「19年春、知り合いの金融業者から持ち込まれた耳寄りな情報というのが、詐欺に遭うきっかけでした。“武田薬品が製造するザファテックなどを大量に入手できるルートがある。中国に輸出すれば儲けは大きい”と勧められたのです」
絵夢氏にコンサルタント料の前渡金として1000万円、山崎元副総裁に挨拶料300万円。医薬品輸出ビジネスに参入する対価の支払いを済ませた6日後の19年6月4日、山崎元副総裁から、腹心で日本医師会推薦候補だった自見庄三郎元参院議員を引き合わされたという。
結果的に、卸会社社長は絵夢氏にまんまと1300万円を騙し取られることとなった。(【後編】につづく)
「週刊新潮」2020年6月11日号/6月18日号「MONEY」欄記事を再構成した有料版では、絵夢氏による中国への医薬品輸出ビジネスのセールストークやどのように政治家を使ったかを詳報する。
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