山上容疑者の求刑・判決は「無期懲役」が有力か 「安倍元総理が被害者であることは影響しない」
親が熱心な信者という「宗教2世」の苦悩を手製の薬きょうに込めた山上徹也容疑者(41)。奈良地検は鑑定留置を行うことを決めた。世間ではその境遇に同情論や“神”扱いする声まであるが、果たして、求刑・判決はどうなるのか。
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「逮捕されて3週間、これまで再三にわたって山上宅の家宅捜索が行われています。24日にも所有品の押収がありました」
と、社会部デスク。
「逮捕当初から捜査は本人の供述頼みの面があり、供述を裏付けるためにその都度捜索が行われているのです。24日には家から衣服とレシートを押収。衣服は自宅で火薬を乾かす際に身に着けていたもので、レシートは銃の材料を購入した際のものだと思われます」
25日午前、山上の身柄は勾留されていた奈良西署から大阪拘置所へ移送された。奈良地裁により、鑑定留置が認められ、11月29日まで、精神鑑定が行われることになる。
「念のため精神鑑定」
「だいぶ調べが進んだ後の精神鑑定なので、検察としても裁判を見据えて、念のため精神鑑定をしておくということでしょう」
と、言うのは元東京地検特捜部副部長の若狭勝氏。
「裁判になって被告人の弁護士から責任能力に問題があると主張されたときへの備えだと思います。見るからに責任能力がない場合は供述が固まる前に鑑定を行うはずですから」
そもそも「責任能力」とは何か。若狭氏によれば、二つの能力があるという。
「一つは物事が善いか悪いかを判断する能力。二つ目は、その判断に基づいて犯罪を行わないよう自分を律することができるか、というもの。神からのお告げや幻覚・幻聴のために自分の行動をセーブできないのは、心神喪失、責任能力がないと判断されます」
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