泉ピン子、橋田壽賀子さん追悼番組に呼ばれず 「渡鬼」関係者との軋轢が発覚
昨年4月に95歳で他界した脚本家・橋田壽賀子さんの代表作「渡る世間は鬼ばかり」を放送していたTBSが、追悼特番を放送することがデイリー新潮の取材で分かった。「渡鬼」のスタッフと出演者らが橋田さんを偲ぶ。だが、泉ピン子(74)は出演しない。「渡鬼」関係者とピン子の軋轢が理由だ。
「渡鬼」でピン子が演じた小島五月の息子はえなりかずき(37)が扮した眞。だが、2人が断絶状態にあるのは知られている通り。厳しいピン子に対し、えなりが拒絶反応を起こした。
「渡鬼」は1990年に連続ドラマとして始まり、スペシャル版を含めると2019年まで続いたが、2人が絡む場面は2015年が最後になった。
「えなりさんは泉さんと会うことすら避けるようになり、打ち上げにも欠席するようになった」(「渡鬼」スタッフ)
取材を進めたところ、ピン子を敬遠しているのは、えなりだけではなかった。「渡鬼」に関わる複数のスタッフ、出演者とピン子の関係は以前から険悪になっている。
それが橋田さんの追悼番組にピン子が出演しない大きな理由だ。「泉さんが出るなら、遠慮したい」というスタッフ、出演者が複数いるため、ピン子は招かれないという。
橋田さんの遺骨の海洋散骨騒動が影響した。ピン子が遺骨の一部を手に入れ、それを海に撒いたという話である。これに対し、「渡鬼」に出演していた橋田ファミリーから疑問の声が上がった。
「そもそも腑に落ちない話。ピン子さんが言われる通り、昨年4月の葬儀の時点で遺骨を手にしていたのなら、どうして今年6月まで伏せる必要があったのか」(同「渡鬼」スタッフ)
ピン子が橋田さんの遺骨が手元にあることを初めて明かしたのは6月2日。自身が主演する朗読劇「すぐ死ぬんだから」(東京・池袋「あうるすぽっと」、8月4日から)のPR会見の席上だった。
「海洋散骨の話をされたのもこの場が初めてでした」(同「渡る世間は――」スタッフ)
この舞台のテーマの1つは終活。ピン子も会見で自身の墓づくりについて語っている。橋田さんの遺骨を海洋散骨する話も舞台のテーマに合うと考えたのだろうか。
この場でピン子は橋田さんの遺骨を手に入れた経緯について「焼き場で『お骨、ちょうだい』ってもらって」などと説明した。仮にピン子が本当に遺骨を分けられていようが、橋田さんの近親者たちはそれを知るよしもなかった。
近親者たちは海洋散骨についても聞かされていない。これでは物議を醸すはずである。海洋散骨は6月15日に行われ、それを報告するコメントがピン子からマスコミ各社に送られた。一方、近親者たちへの通知はなかった。
渡鬼ファミリーに亀裂
ピン子が遺骨の一部を持っていたことと海洋散骨計画は渡鬼ファミリーにも知らされていなかった。ピン子と渡鬼ファミリーの溝が深まる理由になってしまった。
そもそもピン子と渡鬼ファミリーに亀裂が生じたのはどうしてなのか? 出演者のマネージャーの1人が語る。
「渡鬼の出演陣はベテランの名優ばかりですが、ピン子さんはえなりさんにだけでなく、ほかの人たちにも厳しいんです」(出演者のマネージャーの1人)
ピン子自身も「仕事場には友達を作りに行ってるんじゃないってことよ」(「女性自身」電子版7月31日配信)と語っている。もともと共演者との摩擦を恐れないタイプなのだろう。
このマネージャーからは驚くべき証言も飛び出した。
「橋田さんは死の間際、『渡鬼』の次回作のプロット(あらすじ)を書き終えていた。それを自分の没後に脚色してドラマ化することを許可していた。けれどスタッフや出演陣から『泉さんが出るのなら、遠慮したい』という声が上がり、実現しなかった」(「渡る世間――」の出演者のマネージャー)
追悼特番と同じ構図だ。ここまでピン子が敬遠されるようになったのも橋田さんが深く関わっている。
橋田さんの夫で元TBSのドラマ制作者・岩崎嘉一さんは故人。子供もいない。橋田さんは独り身だった。だから橋田ファミリーの面々は「自分たちで協力し合って、橋田さんの最晩年を支える」という共通認識があった。
だが、ピン子は周囲と十分に相談せず、報告もしないまま、死を目前に控えた橋田さんの過ごし方などについて決めてしまった。これによって仕事以外でもピン子と周囲に禍根が生じた。これでは確かに最後の「渡鬼」はつくれなかっただろう。
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