「岸防衛相」に取り沙汰される「深刻な病状」 安倍元首相の銃撃死を受け、旧統一教会との「蜜月・壺議員」を認めて
潔かった「お付き合いがある」発言
岸信夫防衛相は7月29日の記者会見で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)をめぐって、これまで霊感商法や献金強要のトラブルが報告されてきたことについて「認識していた」と述べた。開き直りに近い発言は政界で波紋を呼んだが、その背景と共に、車いすを常用し、健康不安問題を抱える岸氏の病状と9月予定の内閣改造での処遇についてレポートする。
【写真】今年2月に週刊新潮が撮影した、杖をついて歩く岸防衛相。現在は、これより“病状”は悪化している
岸氏は26日の会見では、旧統一教会の関係との関係について「(メンバーとの)付き合いもあり、選挙の際もお手伝いをいただいている」と説明していた。
「当然と言えば当然ですが、自民党の福田達夫総務会長の会見と対照的なこともあって、いくらか潔く映りましたね」
と、政治部記者。
福田総務会長は7月29日の会見で、旧統一教会との関係について「わが党が組織的にある団体から強い影響を受けて政治を動かしているのであれば問題かもしれないが、僕の今の理解の範疇だとそういうことが一切ないので」などと述べている。
「この発言自体、猛反発を浴びたのですが、その後に福田氏の祖父・赳夫元首相が蔵相時代に旧統一教会の開祖・文鮮明を称揚する動画が拡散しました。教会べったりとは言わないまでも間の悪さが際立ち、福田総務会長としては政治家としてのセンスのなさを露呈してしまいました。直後に釈明しましたが、遅きに失した感は否めませんでした」(同)
岸信介元首相からの旧統一教会との関係
「岸氏があっさりと旧統一教会との関係を認め、“壺議員”認定を余儀なくされたのは、祖父の岸信介元首相や実兄・安倍晋三元首相、つまり岸家・安倍家と旧統一教会との深い関係がかなり伝えられた後だったからかもしれません。信者との間に相当数の問題を抱えるカルトに近い存在だと知りつつ、そのありがたみに抵抗できなかったとまでは言っていませんが、開き直りのようで、正直な感情の吐露だったと思いました」(同)
岸・安倍一族と旧統一教会との関わり合いについては、岸元首相が当時の米レーガン大統領に対し、脱税容疑で実刑判決を受けて収監中だった文鮮明の釈放を求める親書を送付したことが報じられた。
安倍氏についても旧統一教会宛てのビデオメッセージに加え、「選挙で旧統一教会の組織票およそ8万を差配していた」実態が報じられている。どの候補を応援するかについて安倍氏の裁量が極めて大きかったということだった。
ここからは巷間ささやかれている、岸氏の健康不安や政治家としての将来について触れていこう。
安倍氏が凶弾にたおれる前から、9月上旬に予定の内閣改造・党役員人事において、岸氏の処遇は最注目とされてきた。
[1/2ページ]