新人参院議員に「旧文交費の日割り支給」実施も実は“抜け穴”だらけ 特に秘書給与はザル状態

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秘書給与は日割りなし

 総額が年約62億円、1人あたりの平均額が年約800万円なのは冒頭で見た通りだ。

 実は、秘書給与も日割り計算の対象とはなっていない。初当選した新人議員であっても、7月26日の時点で3人の秘書を雇用すれば、7月分の給与が満額もらえる。

 平均額を規準に計算してみると、1人あたり月約63万円、3人分で月約199万円という金額になる。

「2002年、週刊新潮が辻元清美さん(62)の秘書給与流用問題を報じ、03年に警視庁捜査2課が詐欺罪で逮捕、東京地裁で有罪が確定しました。今でも秘書給与は不透明な部分が多く、雑誌メディアを中心に『ベテラン秘書でも雇用主である国会議員の政治団体に寄付させられる』、『“名義貸し”に等しい秘書もいる』との報道が後を絶ちません」(前出の記者)

 特に新人議員の場合、7月10日の当選を受け、月末までに3人の秘書を雇えなくても不思議はない。この際に色々な抜け穴があるようだ。

「秘書を雇用した際、『毎月25日に申請する』というような決まりはありません。本当は8月1日に雇用したとして、『すみません、7月31日に雇用していました』と1日遅れを装って申請したらどうなるか……。繰り返しますが、厳密な決まりは存在しません」(同・記者)

国会議員に改革の意識なし

 他にも1人や2人の“欠員”が見込まれる場合、支援者などから「とりあえずの秘書」を雇うことは充分に考えられる。

「熱烈な支援者だったら、秘書として名前を貸すだけでなく、『給与もいりませんから好きに使ってください』と申し出ることも考えられます。“机上の空論だ”と反論されるかもしれませんが、こうした名義貸しなど秘書給与の不透明性を防止するシステムが構築されていないのは事実です」(同・記者)

 参議院は「議員から秘書として雇用の申し出があった場合、マイナンバーの提出を求めたり、本籍や現住所の確認をしたりするなど、一般の企業が雇用の際に行うようなチェックは実施している」と言う。

 とはいえ、“抜け穴”がいくらでも存在するのは前に見た通りだ。当然ながら、取材に応じてくれた参議院の事務局ではなく、国会議員に問題があるのは言うまでもない。

 彼らは調研費で領収書の添付すら実現できていない。「李下に冠を正さず」の気概が全く感じられない以上、秘書給与の悪用を疑われても仕方ないだろう。

デイリー新潮編集部

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