ロシア侵攻下の生活を“ほのぼの”描く「4コマ漫画」 作者のウクライナ人高校生に聞く「出版までの道」

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幸せな気持ちになれる漫画を描きたい

 アカリさんが住むのは、ザポリージャ市。3月にロシア軍によって攻撃を受けたザポリージャ原発がある南東部の大きな地方都市である。今のところ国外などに避難する予定はないそうだ。

「平日は、朝8時から午後3時まで学校の授業を受けています。もし授業中に警報が鳴ったら、授業を中断して警報が鳴りやむのを待ちます。授業が終わった後や時間があるときは、アニメを見たり漫画を読んだり描いたり……。警報がなければ、お母さんと一緒にスーパーにおいしいものを買いに行ったり、家の近くの公園を散歩したりすることもあります。4コマ漫画は、夕方、1日おきに2ページずつ描いたりしています。日常の出来事などから題材を考えることが多いのですが、家にいると面白い出来事があまりないので、題材選びに困ることもあります。永遠の課題ですね」

 遠く離れた日本の読者に漫画を通して伝えたいことを尋ねると、アカリさんは前向きにこう答えてくれた。

「『読んでいる人が幸せな気持ちになれるような作品にしたい』と思いながら、いつも4コマ漫画を描いています。4コマのようなカジュアルなスタイルは、読者がちょっと幸せな気持ちになれると思いますし、『私がどれだけ漫画を描くことが好きか』が皆さんにも伝わると思っています。ウクライナでもアニメや漫画は普及しているので、私が漫画を読み始めた時に感じたように、『漫画が世界中の人々の心の支えになり、感動を与えてくれるもの』だということを伝えたいと思っています」

 今後は新たなジャンルにも挑戦したいそうだ。

「普通の世界ではなく、非日常的な世界を感情豊かにそしてダイナミックに描きたいです。魔法生物や悪魔、神秘的な出来事やパワーなど、ファンタジーな要素が盛り込まれた作品に挑戦するのが目標です」

 電子コミック『ウクライナのあかりちゃん』の価格は100円(税別)で、諸経費を除いた売上はウクライナへの支援として国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に寄付される。

デイリー新潮編集部

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