“弱者ビジネス”に切り替えた木下優樹菜に見える悪いクセ いつまでも叩かれ続ける「最大の理由」とは
「最強の一般人」木下優樹菜さんがADHDであることを公表し、大きな反響を呼んでいる。
以前はとてもセンシティブに扱われていた、発達障害。変わった挙動の人を「アスペ」と呼ぶような差別的な風潮もあった。最近では栗原類さんや勝間和代さんなど、自ら公表する有名人も増えてきたことで、少しずつ風向きは変わってきている。職場でのミスが多い、人間関係を壊しがち……当事者のつらさはもちろんだが、支える周囲が疲弊する側面にも光が当てられ、「カサンドラ症候群」といったワードも知られるようになってきた。
木下さんは診断に至った経緯を、「自分を知ろうと思っ」たからと語っている。ブレインクリニックの医師からは「前頭葉の働きが弱く、思考回路がぐちゃぐちゃ」と言われたそうだ。確かに忘れ物が多くスケジュール管理も苦手、前夫をイライラさせていたなど、思い返せば特性にあてはまることはいろいろあったそう。それでもタレントという職業柄、自覚が無くても周囲の助けで何とかなってきたことから、「生きづらさを感じたことはなかった」と笑顔で結んでいる。
気になったのは、前週にあったちょっとした騒動との関連だ。田村淳さんから対談企画を持ち掛けられるも、他の出演者を見てドタキャンしたと暴露された。木下さんは動画で、刑務所に入った面々とは違うので、企画コンセプトにも自分のブランディングにも合わなかったと反論。淳さん側は理解を示すも、断り方が失礼だったと言って再び炎上していた。正直どっちもどっちという気もするが、他人とあつれきを生み続ける「一般人」のブランディングとは何なのか。ADHDを免罪符に奔放な言動を続けることなのか、と勘繰ってしまう。
名字疑惑や誹謗中傷……目立つ「弱者」としての訴えと高まる注目度
思えば最近の木下さんは、真逆のイメージに舵を切って注目を集めている。恐喝するオラオラ系有名人でなく、誹謗中傷に悩む弱き一般人としてのアピールだ。
先月は在日韓国人ではという長年の疑惑について語り、大きなニュースになった。「木下」ではなく「朴」と掲載された写真が出回っているが、自筆が汚かったので間違えられたのだという。韓国が好きで友人も多いことから、失礼な釈明にならないよう黙っていたと語った。慎重な姿勢には称賛の声も上がり、動画の再生回数は70万回を超えている。
昨年末には、タピオカ事件に関する誹謗中傷によって「消えたほうがいいのかな」と思うほど追い詰められたと明かした。悪質なコメントは写真で残し、法的措置を考えているとも発言。すでに司法で決着がついているので気の毒と言えば気の毒だが、彼女が法的措置と言うと例の恫喝文を思い出してしまう。むしろ法的措置と言えば有無を言わせず相手を黙らせられるという感覚が、彼女に根付いているのではないだろうか。
偏見にさらされる外国人、誹謗中傷に傷つくシングルマザー、先輩タレントに公開批判された厄介者、そしてADHD当事者。自分を弱い立場として語る動画の注目度は高い。「弱者ビジネス」の旨味に目覚めてしまったともいえるが、視聴者側の需要とも一致しているという困った点もある。「弱った木下優樹菜を見たい」という嗜虐的な心理である。彼女が悩みを吐き出すたびにネットニュースになり、動画再生数は急上昇。注目を集めたい木下さんと、ボロを出したら見逃すまいとチェックし続けるアンチの利害が一致してしまっている状況だ。
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