韓国戦 町野修斗と相馬勇紀の活躍に注目 今後も森保監督が代表に呼ぶ可能性

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南野拓実への疑問

 とりわけ相馬は、香港戦で直接FKを決め、右足でのワンタッチでもゴールを決めた。韓国戦ではヘッドで先制点を日本にもたらし、左CKから佐々木翔の2点目をアシストした(その後も左CKから直接ゴールを狙い、あわやというシーンを演出)。

 ゴールこそなかったものの、中国戦でも交代出場すると得意のドリブル突破から攻撃を活性化した。

 現在、日本の左FWは南野拓実が主戦場としており、ジョーカーとして三笘薫が控えている。

 2人の牙城を脅かすのは簡単ではないが、南野を左アウトサイドに起用して、試合の流れに応じてセンター寄りのポジションから左SB長友佑都らの攻撃参加を引き出す攻撃パターンは機能しているとは言い難い。

 6月の国際Aマッチウィークでも南野が目立ったのは、チュニジア戦で前半42分にオフサイドとなったゴールくらい。彼にとってどのポジションが、そしてどんなシステムが最適なのか、改めて考え直した方がいいのではないだろうか。

 もしも大迫勇也が本大会に万全の状態で臨めないようであれば、南野の“ゼロトップ”もありだろう。

町野修斗は“ポスト大迫”候補

 そして一瞬の“キレ”で決定機を演出できる三笘は相手が疲れてきたときのジョーカーとして温存し、スタメンにはスピードのあるドリブラー相馬の起用を推薦したい。

 カットインからの右足シュートはもちろんのこと、韓国戦ではタテに抜いての左足シュートで右ポストを直撃するなど、プレーの幅も広がっている。

 FKやCKといったセットプレーのキッカーとしても、名古屋で成長を遂げている。9月のヨーロッパ遠征には是非とも加えてほしい「国内組」の1人である。

 最後に、相馬と同じく3ゴールを奪った町野についても触れておきたい。ゴールへの嗅覚はもちろんのこと、感心したのは開始18秒と後半18分のミドルシュートだ。いずれも“肩の力”が抜けた自然体でのシュートだった。

 18秒のシュートはGKのディフレクトに遭い左CKに変わったが、代表2試合目のスタメン出場で相手は宿敵・韓国、さらに開始直後のファーストシュートとなれば、「力むな」と言っても「力んでしまう」のが人情だ。

 ところが町野は“自然体”でミートして、伸びのあるシュートを打てる希有な才能を持っている。

「立ち上がりのシュートは決めたかった」と悔やんでいたが、今後も代表で活躍するチャンスは訪れるだろう。そのためにも湘南でゴールを量産し、結果を残すことで“ポスト大迫”に名乗りをあげて欲しい。

六川亨(ろくかわ・とおる)
1957年、東京都生まれ。法政大学卒。「サッカーダイジェスト」の記者・編集長としてW杯、EURO、南米選手権などを取材。その後「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。

デイリー新潮編集部

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