金満「リブゴルフ」に迫る危機 テレビ中継なし、スポンサー企業も皆無のウラ側
今、世界のゴルフ界は、今年6月に始まった新ツアー「リブゴルフ」の話題で持ち切りだ。高額賞金を目玉にスター選手を次々と勧誘し、勢いに乗るかに見えるが、実は大きな課題が露呈しつつあった。【舩越園子/ゴルフジャーナリスト】
【写真】リブゴルフのYouTube中継の場面。再生回数70万回を超える動画もあるが、登録者は14.4万人
スター選手が次々移籍
これまでは、王者タイガー・ウッズや日本のエース・松山英樹らの主戦場である米国拠点のPGAツアーが「世界一のゴルフツアー」と呼ばれ、プロゴルファーの誰もが目指す最高峰の舞台とされてきた。しかし、かつてのPGAツアー選手であり全英オープン2勝の実績を持つオーストラリア出身のグレッグ・ノーマンが、サウジアラビアの政府系ファンドをバックに付け、PGAツアーに対抗する新たなツアーとしてリブゴルフを創設。潤沢なオイルマネーをばら撒きながらPGAツアーや欧州のDPワールドツアーの選手たちを勧誘している。
最初は「リブゴルフなんかには誰も行かないだろう」と見られていたが、蓋を開けてみれば、スター選手たちが次々に移籍している。
6月の第1戦にはフィル・ミケルソンやダスティン・ジョンソンをはじめ、セルヒオ・ガルシアやリー・ウエストウッド、イアン・ポールターなどPGAツアー選手17名がリブゴルフに参加。
第2戦ではブルックス・ケプカやブライソン・デシャンボーらが加わり、7月29日から始まる第3戦には、ポール・ケイシーなど、さらに4名のPGAツアー選手が出場する。
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