安倍派の醜悪な跡目争い 安倍家の代理人を気取る西村康稔氏、森喜朗元総理も登場

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「いずれ他派閥の草刈り場に…」

 新会長を選ばないこの案は、安倍氏の通夜当日に西村氏が呼びかけた幹部会で確認されたと伝わるが、

「そもそもこの案は、早くから森喜朗元総理が口にしていたものなんですよ」

 とは事情を知る関係者。

「当初、衛藤さんは塩谷さんを会長に据え、残りの幹部が補佐する案を提案した。ところが下村さんが顧問として棚上げされるのを警戒して猛反発。そこでかつてのオーナーの森元総理の案を持ち出したのが、聡(さと)い西村さんだったというわけ。下村さんは一丁上がりにされたとみられていますよ」

 バランスと和を優先した合議体、ならばいいが、派のさる閣僚経験者はこの案を一笑に付す。

「森さんは自分が会長だった時代に派閥を分裂させた過去がある。いくら苦肉の策だといっても、こんな無責任な体制じゃ、続くものもかえって続かないよ」

 先の青山氏も指摘する。

「本来なら派の重鎮である細田博之衆院議長(78)が調整に乗り出すべきところなのに、セクハラ疑惑に見舞われて、“自分は何もやらない”と役回りを放棄。混乱に拍車をかけています」

 下村氏は派内の若手を食事や酒席に誘うなど多数派工作に乗り出しており、西村氏や萩生田氏らは密に連絡を取り合って対抗する。

「非主流派に甘んじる二階派の幹部は“90人超の集団も頭領がいなけりゃ脆い”とニヤニヤ。いずれ他派閥の草刈り場にされるかも」(先の政治部デスク)

 船頭多くして「山に登れる」ならば、まだましな結末かもしれない。

週刊新潮 2022年7月28日号掲載

特集「『安倍元総理暗殺』激震収まらず 」より

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