安倍派の醜悪な跡目争い 安倍家の代理人を気取る西村康稔氏、森喜朗元総理も登場

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森喜朗元総理も登場

 四人がにらみ合う形となった結果か、昨年の総裁選では四人とも立候補を断念。安倍氏が無派閥の高市早苗氏を全面支援したのは周知の通りである。

 喪に服すどころか四十九日さえ待たずに「我こそが後継者」とせめぎ合う幹部たち。政治ジャーナリストの青山和弘氏が言うには、

「50代と若い西村氏と萩生田氏の二人は当初、四天王に松野氏と世耕氏、それに派の副会長である高木毅氏(66)も含めた七人での集団指導体制を唱えていました。二人には“次世代の自民党のリーダー候補は自分たちだ”との自負があり、一気に世代交代を進めようという狙いがあったのです」

 無論、ベテラン勢はこの動きに危機感を募らせる。

「下村氏は、自らと塩谷氏の会長代理二名による双頭体制を提案していました。下村氏は当選9回。塩谷氏は当選10回ですが、先の総選挙では小選挙区で敗れた比例代表復活組。そんな事情から総裁選への意欲は薄いと見られ、下村氏はいずれ自分が派のトップになると踏んだのでは」(青山氏)

七人による集団指導体制

 ほどなく、それぞれの水面下でのうごめきが顕在化することになる。

 13日、時事通信は「安倍派、後継会長を置かず=塩谷氏ら7人が集団指導」と見出しに掲げた記事を配信。安倍派は当面、後継会長を置かずに、塩谷氏ら有力者七人による集団指導体制で派閥を運営する――というのがその主旨だった。

 翌14日、読売新聞もこれに追随する。「安倍派 合議体を検討 後継見当たらず」というタイトルで、いわく下村氏が顧問に退き、塩谷氏が合議体の代表役に就くとの見通しを報じたものだ。

 二つの報道に共通するのは、集団指導体制のメンバー構成だ。いまや安倍派の「七奉行」と呼ばれる七人。すなわち「安倍系」の下村、萩生田、世耕、西村の四人と、かつて福田赳夫元総理を支えた比較的リベラルな系譜を引き継ぐ「福田系」の塩谷、松野、高木の三人が「鳩首して物事を決める」というのだ。

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