「死に物狂いで自民党議員を応援」元統一教会信者が証言 関係が深い現役国会議員は?

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教会が熱望した文鮮明の来日実現

 政治家にとっては実にありがたい存在だが、では、教団側はどのようなメリットを求めて、こうした献身的な活動を行ってきたのだろうか。

 「宗教問題」編集長で、ジャーナリストの小川寛大氏によれば、

「政権与党の有力な政治家を支援し、親密な関係を結ぶことによって、教団の求める施策の実現を図ろうとした側面がある」

 実際、かつて勝共連合は「スパイ防止法」の制定を目指し、自民党の有力政治家に働きかけ、資金援助までしていた。結局、同法は成立しなかったが、教会がより熱望していたのは、文鮮明の来日実現である。前編で紹介した通り、文鮮明はアメリカで投獄された過去がある。そのため、入管法の規定上、日本には入国ができなかったが、1992年、法務大臣が特別許可を出して来日が許された。これには、金丸信をはじめとする自民党の有力政治家の後押しがあったという。

 当時、勝共連合系とつながりを持つ議員は200人もいるといわれていたから、その蜜月ぶりたるやすさまじいものがあったのだ。

麻生太郎・副総裁など大物の名も

 ところが、80年代後半に入ると、統一教会の行う「霊感商法」や「合同結婚式」の問題点が大々的に非難され、教会は「カルト宗教」として世間に認識されるようになった。

 これに伴い、危機感を抱いた政治家は徐々に教会と距離を置くようになり、人的支援を受けるようなことは一時ほど見られなくなってきたのだが――。

「それでもつながりそのものは途絶えたわけではもちろんなく、政治の世界に教団はアプローチを続け、関係は途切れることなく続いています」

 と述べるのは、カルト宗教に詳しい、ジャーナリストの鈴木エイト氏である。

 鈴木氏は、ここ20年ほどで、統一教会系団体のイベントに参加したり、関係団体などから献金を受けたりした国会議員を調査。それをリスト化し、公表している。それによれば、現職だけで112人の国会議員が該当するという。そのうち9割近くに当たる98人が自民党所属だ。

 その中には、麻生太郎・副総裁などの大物の名がある。

 麻生氏に関しては、2011年、教団系の米紙「ワシントン・タイムズ」の意見広告に名を連ねている。

 さらに、同リストでは、現職閣僚に絞っても、萩生田光一・経産大臣、山際大志郎・コロナ担当大臣、山口壯・環境大臣などの名が……。いずれも関係団体のイベントに出席などした“実績”があるのだ。

 鈴木氏は言う。

「こうした成果に自信を深めてでしょうか、17年、国際勝共連合の会長は渡韓した際、文鮮明の妻に対して“最近の日本は雰囲気が変わってきました。かつて活動が活性化していた際には、200人を超える議員が御父母様(教祖夫妻)に侍っていましたが、その時の雰囲気に近づいています”と報告しています。00年以降、霊感商法について当局の摘発が相次ぎました。教団側としては、こうした動きをけん制するためにも、政治家との絆を再び深めたいという理由があるのでは」

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