「文尊師は誠実な男」 岸信介が統一教会トップを称賛した“異様”な機密文書
お祝いのビデオメッセージを送っていた安倍元総理
嘆願書の3年後、岸は90歳で没するが、その後も岸・安倍一族と教会との関係は続いた。
女婿に当たる安倍晋太郎は政界入りし、既に自民党の幹事長や外相などを歴任していたが、統一教会は彼ともつながりを持つ。
そして、晋太郎の後を晋三氏が継ぐと、やはり教会との関係も引き継がれた。
「安倍元総理と統一教会の関わりにもまた、深いものがありました」
とは、カルト宗教に詳しい、ジャーナリストの鈴木エイト氏。
鈴木氏の調査によれば、安倍元総理については、ここ20年ほどに絞っても以下のような関係性が見えるという。
○2005年、06年
統一教会系団体「天宙平和連合」(UPF)の開いた「祖国郷土還元日本大会」に祝電を送る
○10年、12年
統一教会系団体「世界戦略総合研究所」の会合に出席
○11年
統一教会系米紙「ワシントン・タイムズ」に全面意見広告を出す
○16年
徳野英治・日本統一教会会長を首相官邸に招待する
昨年には、やはりUPFが開いた「希望前進大会」なるイベントに、安倍元総理はお祝いのビデオメッセージを送っているが、山上容疑者はまさしくこれを YouTubeで見て、犯行を決意したと供述している。
鈴木氏が続ける。
「これらの言動は、一部のメディアなどから批判を受けることもありましたが、それでも関わりは続いていた。やはりそれだけつながりが深かったといえます」
後編(「死に物狂いで自民党議員を応援」元統一教会信者が証言 関係が深い現役国会議員は?)に続く。
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