内川聖一、福留孝介、金子千尋……崖っぷち「大物選手」の“それぞれの事情”

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二軍暮らしが続く“稀代のヒットメーカー”

 早くも前半戦が終了した今年のプロ野球。セ・リーグは、大勢(巨人)、高橋宏斗(中日)、長岡秀樹(ヤクルト)、岡林勇希(中日)、パ・リーグでは、大関友久(ソフトバンク)、水上由伸(西武)、高部瑛斗(ロッテ)、柳町達(ソフトバンク)などブレイクしている若手がいる一方で、実績はありながらもここまで目立った活躍を見せることができていない選手がいる。そろそろ来季に向けての動きも加速化してくることから、後半戦に存在感を示すことができなければ、立場が苦しくなることも予想される。【西尾典文/野球ライター】

 セ・リーグで厳しい立場に置かれているのは、内川聖一(ヤクルト)だ。両リーグで首位打者と最多安打のタイトルを獲得し、2018年には通算2000本安打を達成した“希代のヒットメーカー”も近年は故障に苦しみ、20年限りでソフトバンクを退団。昨年からヤクルトに加入したものの、一軍ではわずか11安打に終わり、今年も二軍暮らしが続いている。

 オールスター前にチーム内に大量の新型コロナウィルス陽性者が出たことで7月12日に一軍登録されたが、ここまで14打数3安打と目立った活躍を残すことができず、21日には早くも登録を抹消された。短期決戦には絶大な強さを誇り、過去にも劇的なヒット、ホームランを放っているだけに、クライマックスシリーズや日本シリーズで出番があるかもしれないが、来季も残留するためにはそこでの活躍が必要になりそうだ。

「イチローよりも長く」は叶うか

 セ・リーグで、内川と並ぶレジェンドクラスの選手といえば、福留孝介(中日)である。14年ぶりに中日に復帰した昨年は打率こそ2割台前半ながら91試合に出場し、度々勝負強い打撃を見せるなど健在ぶりをアピールしたが、今年は開幕から25打席連続ノーヒットと苦しみ、6月13日に登録抹消となった。今年で45歳という年齢を考えると、内川以上に苦しい立場と言えそうだが、地元からは意外な声も聞こえているという。

「今年は開幕からずっと結果が出ず、チームが低迷していることもあって、世代交代のために引退というのが普通の流れだと思いますが、それでも、来年も残ってもらいたいと考えている球団関係者もいるようです。評価されているのは、やはり野球に取り組む姿勢ですよね。キャンプでも普段の練習でも、常に手を抜くことがなく、二軍に降格になっても全く変わることはありません。もちろんコーチとして残ってもらうという選択肢もありますが、選手という同じ立場でこれだけ実績のある選手が、手を抜かずに取り組んでいるというのは、若手の多いチームにとっても貴重ですよね。本人もイチローよりも長くやりたいと言っていますし、その意思を尊重する形で、来季も現役続行ということは十分に考えられると思います」(地元テレビ局のスポーツ担当記者)

 イチローが引退したのは46歳の年齢になる年であり、福留は来年でそれに並ぶことになる。その目標を達成するためにも、後半戦はそのバットで存在感を示してもらいたいところだ。

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