統一教会が狙う“だまされやすい”職業は? 妹を洗脳から救出した男性が“壮絶な戦い”を明かす
3カ月かけて洗脳を解くことに成功
音信不通が10年続き、
「92年には事前に知らせもなく突然、実家に帰ってきた。やつれ果てていて、聞けば韓国の農村出身の男性と入籍し、桜田淳子さんらと同じくソウルでの合同結婚式に参加したという。これが最後のチャンスだと思い、教団に見つからないよう自宅でない場所に妹をかくまいました。脱会経験者や牧師さんの話を聞かせたり聖書を検証させたりし、3カ月後、ようやく洗脳を解くことができ、韓国人男性とも離婚が成立しました」
というのだが、
「この40年間、同じように兄弟や子を連れ戻したいと願う500組ほどの家族と知り合いましたが、救出に成功したのは全体の1割足らず。自殺を遂げた家族も数十人いました。霊感商法にだまされて大金を失った人は、被害届を出そうにも、罪に問われて逮捕されるのが自分の子や親だったりするかもしれず、それを恐れて声を上げられません。教団側も、そうした心理を熟知しているのです」
母親から「神の血統が汚される」
また山上容疑者と同じく「2世」の苦悩を抱えてきた西日本出身の30代男性は、
「私は合同結婚式で一緒になった両親のもとに生まれた『祝福2世』で、物心ついた時から家族で教会に通っていました。統一教会の認める結婚は合同結婚式だけで、自由恋愛や性愛は悪とされている。小学生の頃から“同級生の女の子にはサタンがついていて、誘惑してくるから気を付けなさい”と教わり、テレビでも恋愛を扱う番組は観るのを禁じられて育ちました」
が、この「2世信者」は長じるにつれ疑問が沸き起こってきたといい、
「アダムとエヴァが堕落して人類の罪が始まったと言われても歴史的な事実がなく、おかしいと思って心が離れていきました。大学入学以降は一人暮らしをしてきたのですが、教会から足が遠のいたことで親からひっきりなしに連絡があり“せっかくの神の血統が汚される”とも言われました。統一教会では、親が合同結婚式をしただけでは救われず、生まれた子が同じく合同結婚式に出て初めて家系が救われると教えます。子が教会から離れてしまうと、親ともども地獄に落ちるとされているのです」
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