今故障したら地獄「エアコン」 電気代を抑える「風向き」は? ダイキンに聞いた

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掃除で電気代を節約

 次にメンテナンスだが、広報グループによると「フィルターの掃除を2週間に1回」行うことが必要だという。「そんなに!」と驚いた方も多いかもしれない。

「頻繁で面倒だと思われた方もいらっしゃるでしょう。とはいえ、エアコン本体のパネルを開け、フィルターを取り出し、掃除機などでホコリを除去するだけです。簡単ですし、掃除をしないと電気代が上がる可能性もあります」(前出の広報グループ)

 エアコンの基本原理は、室内の暑い空気を吸い、冷たくして戻すというものだ。

「フィルターにホコリで詰まった部分があると、暑い空気を吸う量が減ります。すると冷たくして戻す空気の量も減るため、室内を涼しくするのに時間がかかるのです。フィルターが綺麗なエアコンに比べると、電気代が余計にかかってしまいます」(同・広報グループ)

 台所の近くにエアコンを設置していたり、リビングとキッチンがつながっていたりする場合は、フィルターに油汚れができるかもしれない。

「調理の際、油が細かな飛沫となって飛び、エアコンが吸い込むことがあります。フィルターを見て油汚れがありましたら、ぬるま湯に中性洗剤を少し入れ、漬けてください。それからスポンジで汚れを落として洗浄。最後はフィルターを拭いて、乾くまで陰干しです。家電製品なので、濡れたフィルターを戻すと故障の原因になります」(同・広報グループ)

自己流の掃除は危険

 また、「2週間に1度のフィルター掃除」では、「熱交換器」をチェックすることも重要だという。

「フィルターを取りますと、薄い板のアルミが並んでいる部分が現れます。これが熱交換器で、ここが冷えることでエアコンから冷たい風が出るのです。ここにホコリが付着していれば、フィルターと同じように冷房の利きは悪くなります」(同・広報グループ)

 クリーニング業者の公式サイトなどでは、熱交換器に油汚れやタバコのヤニが付着していたり、サビだらけになったりしている写真が公開されている。

「フィルターは『自分で2週間に1度』の掃除をお願いしていますが、熱交換器のクリーニングは専門業者に依頼してください。購入された方が自分で掃除を行い、思わぬ故障や不具合につながるケースが考えられるためです」(同・広報グループ)

 経済産業省が所管する独立行政法人「製品評価技術基盤機構(NITE=ナイト)」が2020年6月、「エアコンの内部洗浄による事故に注意~製造から長期間経過した換気扇・扇風機にも注意~」と発表している。

《エアコンの事故は2015年度から2019年度の5年間に合計263件発生し、うち火災が244件、死亡事故が6件(7名)です》

《今後、特に発生が心配なエアコンの事故は、誤った内部洗浄方法による火災事故です。2019年度までの5年間に20件発生しています》

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