今故障したら地獄「エアコン」 電気代を抑える「風向き」は? ダイキンに聞いた
「設計上の標準使用期間」
ダイキン工業は5月11日、2021年3月期に家庭用エアコンの販売台数で18・7%のシェアを獲得、国内首位に立ったと発表した。同社に取材を依頼すると、広報グループの担当者が対応してくれた。
まず「メンテナンス」と「買い換え」の問題だが、切実な声が多いのは後者であることは言うまでもない。
今年は猛暑だけでなく、半導体不足という問題も発生している。米中の貿易摩擦やポスト・コロナによる需要爆発などの要因が重なり合い、工業用品の製造に大きな悪影響が生じているのはご存知の通りだ。
もちろん家電も例外ではない。特にエアコンは中国・上海のロックダウンも生産減の原因となっており、中古市場が活況を呈しているという。
「ウチのエアコンはどれくらい古いのか、いつ買い換える必要があるのか」と不安な消費者は多いだろう。そこで最初に、買い換えの時期について質問した。
「家庭用エアコンには『設計上の標準使用期間』が儲けられています。これは安全上、支障なく使える期間を指し、弊社は《目安は一般的に10年》としています。10年という期間は弊社だけではなく、他社さんも同様のようです」(ダイキン工業・広報グループ)
平均使用年数は約13年
10年が目安とはいえ、11年目になると絶対に壊れる、などということはない。11年、12年と使い続ける消費者も多いが、確実に「経年劣化」は進んでいく。
「10年という目安を過ぎれば過ぎるほど、不具合が起きやすくなっていきます。圧縮機やモーターといった可動部分の部品や電子部品の劣化などが考えられます。やはり購入から10年という区切りを、買い換えにおける1つの目安として考えていただきたい、と思っています」(同・広報グループ)
ここに興味深いデータがある。内閣府経済社会総合研究所の景気統計部が4月に発表した、「消費動向調査 令和3年3月実施調査結果」だ。
「『主要耐久消費財の買替え状況』の調査結果によると、ルームエアコンの平均使用年数は13・2年だそうです。ダイキンさんの言う『10年』という区切りと、それほど乖離していないことが分かります。ただし注意が必要なのは、買い換えの理由は『故障』がトップで65・3%を占めているということです」(前出の記者)
真夏に故障してしまい慌てて購入したが、現物の配送や設置に数日かかる──こんな展開は誰でも願い下げだろう。
購入後13年目に故障するという事例が少なくない以上、やはり遅くとも11年目や12年目で買い換えを検討したほうがよさそうだ。
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