安倍元首相暗殺で引責辞任濃厚 “逮捕状握りつぶし”中村格警察庁長官の命運を握る官邸幹部
《辞任はしないだろう》
「記事は精神科医の和田秀樹さん(62)がメルマガとして執筆した原稿を転載したものです。和田さんは灘高校から東大に進みましたが、記事では高校と大学で同級生だった吉田尚正・元警視総監(61)の人物像を紹介することから始まっています」(同・記者)
吉田元警視総監と言えば、福岡県警本部長時代、指定暴力団・工藤会の壊滅作戦を指揮したことでも知られる。和田氏は吉田元総監を《治安の人》と形容し、そんな人物でも警視庁長官にはなれなかったと振り返る。
そして“返す刀”で、中村長官を以下のように酷評するのだ。
《安倍氏に気に入られたおかげで警察庁長官になった中村格のキャリアは治安とは程遠い交通畑、あるいは知能犯対象の捜査二課のキャリアだ》
《フランスのフィガロ紙は7月10日、事件に関する記事で「日本の警察は、権力に近いレイプ犯の起訴を止めたことで有名な中村格氏が現在トップを務めている」とまで書いている》
《自分の非を認める会見をしたらしいが、安倍氏への哀悼の気持ちなどさらさらないから辞任はしないだろう》
和田氏の《辞任はしないだろう》との指摘は、冒頭で紹介したNHKの記事でタイトルにある《進退明言せず》の文言と符合する。
《忠実なしもべ》
実際、永田町や霞が関では、中村長官の出処進退に関心が高まっているという。その現状をお伝えする前に、改めてどのような人物なのか、週刊新潮の詳報から振り返って起きたい。
週刊新潮2019年11月28日号の報道を元に、デイリー新潮は「『安倍総理ベッタリ記者』山口敬之逮捕を中止した、次期警察庁長官の忖度捜査」の記事を掲載した。
その中から、まず中村長官の略歴を紹介しよう。
《福岡県出身の中村氏は、ラ・サール高から東大法を卒(お)えて1986年に警察庁へ入庁。警視庁捜査2課長などを経て、民主党政権が誕生した09年9月、官房長官秘書官に就いた。12年12月、自民党が政権を奪取した際、交代して警察に戻る流れだった。しかし、民主党時代の秘書官で終わりたくなかったようで、就任したばかりの菅義偉官房長官に「続けさせてください」と土下座して“猶予期間を得た”というのは語り草だ》
次に引用するのは《さる警察庁OB》による人物評だ。
《「それ以降は、国内の実力者と菅さんとの間を繋げたりとか、忠実なしもべとして活躍し、信頼を勝ち得たわけです。昭和61(86)年入庁組は当たり年で長官・総監候補が複数いた。少なくとも中村君が菅さんの秘書官になるまでは、露木(康浩)君が長官レースでは先を走っていた。彼は内閣法制局に出向した経験もある秀才タイプ。でも現在、彼は刑事局長で中村君の後塵を拝している。トラブルを回避する高い危機管理能力を誇る中村君を官邸の番犬・守護神として菅さんは重用し、結果、中村君は出世してきた。今でも菅さんとは1日1度、会うか電話をしている間柄らしいよ」》
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