「ちむどんどん」賢秀だけではない 朝ドラ、ヒロインの“ダメ家族”ワースト5を選出

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 NHKの朝ドラ『ちむどんどん』の評判がなかなか上がってこない。その原因のひとつとしてヒロイン・比嘉暢子(黒島結菜)の兄・賢秀(竜星涼)の存在を挙げる人は少なくない。家族思いの一面はあるものの、それ以上に素行が悪く、傍若無人な振る舞いに観る側はイライラが募るばかり。ここ最近は“寅さん風のキャラ”にイメチェンしつつあるが、今さら、これまでの悪行の数々が許されるわけもない。

 だが、過去の朝ドラにはこの賢秀に負けるとも劣らない“ヒロインのダメ家族”が登場している。2010年度以降の作品に絞って選んだワースト5をご紹介しよう。

 第5位は『半分、青い。』(2018年上半期作)のヒロイン・楡野鈴愛(永野芽郁)の元夫・森山涼次(間宮祥太朗)。“夫として、父親として無責任極まりない行動”は完全にアウトだった。それもこれも人懐っこいものの、不都合なことを打ち明けられずに隠したり、事後報告するなど八方美人的な性格が原因である。映画会社の助監督だが、師事する映画監督・元住吉祥平(斎藤工)が撮影する新作映画のスポンサーが降板した際、独断で結婚資金をつぎ込むなどの問題児っぷり。それでも鈴愛は夢に向かう涼次を応援するなど、献身的に支えていた。

 結婚から2年後、鈴愛の妊娠を機にようやく家族のために映画界から身を引くことを決意し働き始めたが、夢をどうしても諦めきれず、鈴愛の目を盗んで密かに祥平と連絡を取り合う。結局、結婚から7年目にして自身の映画監督デビューが具体化し、安定した生活を捨てて夢に賭けることを決めてしまうのだ。鈴愛と娘に突然別れを切り出すと、再び祥平の元へ身を寄せてしまった。

 この翌年に公開された監督作は大ヒットを記録。そこから3年を経て鈴愛と再会し、離婚時のことをようやく謝罪した。

 さらに、やり直さないかと鈴愛に再プロポーズしているが、当然のようにすぐに断られている。

 第4位は『スカーレット』(19年下半期作)のヒロイン・川原喜美子(戸田恵梨香)の父・常治(北村一輝)だ。人は良いが、意地っ張りで酒好き。さらに調子に乗りやすい性格が災いして幾度となく家族を窮地に追いやってしまった。そもそも物語自体、戦後すぐに常治が事業に失敗し、一家が大阪から滋賀県の信楽に転居する場面から始まっている。常治は新天地で運送業を立ち上げ、喜美子も中学卒業後に大阪で働き始め、美術学校進学を夢見るように。だが喜美子不在の間に借金や飲み屋のツケなどで家計は困窮してしまう。すると母親が倒れたと嘘をつき、喜美子を信楽へ呼び戻してしまうのだ。当然、喜美子は反発したが、荒んだ家庭事情を知り、泣く泣く従うことに。

 さらに婿を取って喜美子を早く結婚させようと画策したり、絵付け師修行に反対したりと身勝手な振る舞いが目立っていた。喜美子の結婚の際には相手を気に入らず、猛反対し、結局、条件つきでようやく折れた。

 最期は末期がんで死去した。家族に散々迷惑をかけてきたが、最後は喜美子と和解した(孫の武志が生まれ、すっかり好々爺になっていた)ことだけが唯一の救いといえよう。

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