夫婦で「秘密のパーティー」を楽しむはずが… 妻を寝取られた夫が今さら持ち出す“彼女の過去”

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取れてきた妻の「蓋」

 史奈さんはその後、バリバリ仕事をするようになった。遼太郎さんを誘って、地元の保護犬譲渡会に参加、ふたりは人を信用できなくなっている犬を飼うことにした。

「ちょうど夏休みで、史奈は毎日、犬の世話に明け暮れました。休みがあけてからも、とにかくふたりで愛情を注いだ。この犬が僕らを信頼できるようになれば、僕ら夫婦の愛情も本物だと試されている気がした。史奈にも試されていると僕は感じていました」

 1ヶ月後、犬は史奈さんの手をペロリとなめた。史奈さんは尋常ではないほど感激して泣いた。

「彼女、出会ったときはいつも冷静沈着に見えたんですが、例のカミングアウトをしてからどんどん本性が出てきて。僕はうれしかったですけど、よほど心に重い蓋をしていたんだろうと想像できたので、少し心配でした。彼女を傷つけないよう、再び蓋を閉めてしまわないよう気を遣ったのを覚えています」

 現在も、2匹の保護犬と暮らしている。病気にかかったり老化が進んだりして、これまで2匹を看取ってきた。そのたびに史奈さんはひどく落ち込み、寂しがる。だからまた保護犬を迎え入れる。

「犬が中心の家庭になりました。子どもがいないので、それもありかな、と。ただ、流産してから彼女は夜の生活をまったく受け入れてくれなくなった。僕は彼女を愛しているから、嫌ならしなくてもいいと思っていたけど、やはり寂しかった……」

 流産の経験が彼女を性的な行為から遠ざけたのだろうが、彼はやはり身も心も彼女ともっと密接になりたいと思っていた。

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