相席・山添が売れた本当の理由は「クズキャラ」ではない? ノブコブ徳井が明かす「相席スタート」の素顔

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「僕なんかが偉そうに…」

 山添と「浜ちゃんが」に出演した時、タクシーの中で短いながらお笑いについて語り合った。

「でも僕なんかが偉そうに何を語ってんねやろ、って思いますけどね」

 詐欺集団の主犯格が漏らした言葉ではない。

 相席スタート山添寛さんの台詞だ。

 いろいろな番組で、多少なりともだが上から目線のコメントを求められることがあって、そんな時、芸人仲間から「誰が言うとんねん!」的な、愛情たっぷりの罵声を浴びることもあるという。

 いやいや、相席スタートは賞レースの決勝行ってるんだから大丈夫でしょ。

 準決勝にも行ったことがない僕が、こうして偉そうにお笑い考察などをやっているんだから、山添が芸を語ることに何の問題があるのか。

 そう山添に返すと、

「世の中に、何人お笑いのチャンピオンがいてると思ってるんですか」

 M-1だけで17組、キングオブコントは14組、R-1グランプリには19人のチャンピオンが存在する。

 加えて、「すべらない話」のMVSや「IPPONグランプリ」の優勝者など、栄誉あるチャンピオンの数はもはや飽和している。

 決勝に行ったら売れる時代、はもう終わっていたのだ。

「最低でもチャンピオン」という時代に

 僕らの時代はまさにそれだった。

 決勝にさえ行ければ、きっと変わる。そう信じ、願い、コンビ結成10年目までの壁をよじ登ろうとする。途中朽ち果てる者、上がったと思ったらそこから墜落する者、壁を目指して這いつくばる者……「芸人として売れる」ということは、必ず、それら屍たちの上に存在することだった。

 今は、最低でもチャンピオン。そんな時代になったのかもしれない。だからこそ、無冠の帝王ってのは目立つし格好良いんじゃない?なんて希望も持てる。

 優勝したからすごいんじゃない、優勝しなくたってすごい芸人も間違いなくいる。

 個々の能力だけでも食っていける上、コンビとしてそろったときの二人の化学反応期待指数はメーターを振り切る。息が長くて、成長しか感じられないコンビ、それが相席スタートだ。

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