相席・山添が売れた本当の理由は「クズキャラ」ではない? ノブコブ徳井が明かす「相席スタート」の素顔
いつの間にか現場は「相席スタート色」に
そんな僕らとは凸凹で相性が良いのか、僕の相方・吉村(崇)がメインパーソナリティーを務める「ポップUP!」では相席スタートの二人が脇を固めているし、僕個人がやっていた「マジック・オブ・ザ・マージャン」という番組では山添と、「ニッポン・キャリアコンサル総研~第2の人生応援します~」という番組ではケイちゃんと、ボートレースの番組では二人ともと何度か共演している。
二人の空気感は独特だ。
決して低温じゃない、けれど高温すぎるわけでもない。なのにいつの間にか、現場は相席スタート色に染まっていく。
二人とも「自分が自分が!」という発言や行動はしない。だがブレない芯があって、話を振れば必ず当たり前じゃなくて笑える意見が返ってくるし、物事の芯を突くような意見も発信してくれる。二人がいてくれると安心するのは、僕だけが感じていることではないだろう。
そんな二人がネタをやれば、そりゃあ面白いに決まっている。二人が並べば黙っているだけで面白いのだから、考えて作られた作品は美しいに決まっている。頭の切れるケイちゃんのことだから、お笑いの賞レースというものについて、目から血が出るほどに考えたに違いない。
優勝するために必要な努力の量と質、メリットとそれに伴い受ける傷やデメリット。
その辺の、少し踏み込んだ話を、ボートレース配信の休憩中にしたことがある。
「なんでこんなこともできないの?」と思っていた若手時代
「私が、全部間違っていたと思います」
ここは取調室か!とツッコミたくなるような発言だが、ケイちゃんは確かにそう言っていた。
山崎ケイは早稲田大学を卒業した高学歴芸人なだけでなく、NSCでも優等生のエリート芸人だ。
「なんでこんなこともできないの?」
「もっとこうした方がいいに決まってるじゃない」
周りの人間に、そんなことばかりを思っていたらしい。それは山添とコンビを組んだばかりの時も同じで、自分ができることは全部他人もできるし、できないのは、怠惰を言い訳にしているだけ……。そんな考えを持っていたが、今は「全部私が間違っていた」と言う。
「結婚した旦那さんも含め、いろんな人と出会い、さまざまな話をしているうちに、『世の中には多種多様な個性があって、その一つ一つを尊重し合ってこの世界は成り立ってきた』、そんな当たり前のことに40歳手前で気が付いて、自分の周りの人たちには感謝しかありません」
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