オリックス“ラオウ”杉本裕太郎を覚醒!“イチローを超えかけた男”根鈴雄次が語る「打撃理論の神髄」
プロ野球選手もお忍びで通う「根鈴道場」
昨季、25年ぶりのリーグ優勝を果たしたオリックス。その躍進を支えた一人が、30歳にして大ブレークした「ラオウ」こと、杉本裕太郎であることに、恐らく誰も異論は挟まないだろう。それまでのプロ5年間で通算9本塁打だった右打者が32本を放っての本塁打王に輝き、初の規定打席到達で打率.301をマークして、一流打者の称号ともいえる「3割、30発」を達成。この“遅咲きの男”に、メジャーではいまやスタンダードの「縦振り」のスイングを教え込んだのが、あのイチロー氏がメジャーへ渡った2001年、同じくメジャーに挑戦。日本のプロ経験なしで3Aまで駆け上がり、惜しくも開幕直前で逃したが、開幕メジャー入りもつかみかけた根鈴雄次氏だった。【喜瀬雅則/スポーツライター】
杉本を本塁打王に導いた打撃理論を、根鈴氏が徹底解説【写真一覧】
手前みそになるが、この根鈴氏の挑戦のプロセスを、自著「不登校からメジャーへ~イチローを超えかけた男」(光文社新書)に描いている。ご興味を持たれた方は、ぜひご一読いただきたい。
それはさておき、その“イチローを超えかけた男”に、ラオウ覚醒へのプロセスと、その打撃理論の神髄を明かしてもらうべく、私は根鈴氏が横浜市内で開講する「根鈴道場」へと足を運んだ。
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法大卒業後に渡米した根鈴は、2000年、2001年の2シーズン、いずれもマイナーの「3A」まで昇格している。
2001年に、オリックスからシアトル・マリナーズへ移籍したイチローよりも先に「日本人初の野手メジャーリーガー」になる可能性すらあった。NPB12球団でこそプレーしていないが、日本の独立リーグを含めて、5カ国で「プロ」としてプレー。まさしく、“異例のキャリア”を歩んできた男だった。
2012年、四国アイランドリーグプラスの徳島で現役生活を終えた根鈴は、2017年6月に、横浜市都筑区に「根鈴道場」を開講した。プロを目指す高校生や大学生をはじめ、小・中学生のジュニア世代、さらには杉本をはじめ、多くのプロ野球選手も根鈴の打撃指導を受けるために、お忍びで通っているほどだ。
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