【櫻井よしこ氏特別寄稿】安倍総理の魂はいまも生きている

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昭恵夫人は「自分が死んだことを本人は知らないと思います」

 今、手元に一葉の写真がある。昨年12月、下関で一緒に撮影したものだ。総理の表情は優しく、くつろいでいる。こんな優しい表情を見せてくれたのは初めてだ。安倍氏と私の間にいつもあった小さな緊張感は、少なくともここでは消えている。

 暗殺される前の安倍氏は、恐らく、これまでの人生で最も充実した段階にあった。2回の首相体験が安倍氏の自信を盤石のものにしていた。まぶしい程に輝き、人生の絶頂にあった。

 おだやかな表情で横たわる御遺体の傍らで昭恵夫人は「自分が死んだことを本人は知らないと思います」と語った。

 苦しみもなく逝ったであろうと昭恵夫人は言う。

 私は想った。安倍総理の魂はいまも生きている。そう考えて、「日本を取り戻す!」と叫んだ安倍氏の遺志を継いでいこうと、決意した。

(了)

櫻井よしこ(さくらい・よしこ)
ベトナム生まれ。ハワイ州立大学歴史学部卒業。「クリスチャン・サイエンス・モニター」紙東京支局員、日本テレビ・ニュースキャスター等を経て、フリー・ジャーナリストとして活躍。著書に『何があっても大丈夫』『日本の覚悟』『日本の試練』『日本の決断』『日本の敵』『日本の未来』『一刀両断』『問答無用』『言語道断』(新潮社)『論戦』シリーズ(ダイヤモンド社)『親中派の嘘』『赤い日本』(産経新聞出版)などがある。

週刊新潮 2022年7月21日号掲載

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