浮気相手との「ウェディング写真」がバレて自殺未遂 43歳男性が情けなくなった“自分の性格”とは

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幸せな生活から一転、「断り切れない」性格が仇に

 親には恵まれなかった彼だが、結婚生活はうまくいっていた。2年後に長女が、その3年後に次女が産まれた。子どもをもつのは怖かったというが、「かわいいと思えてホッとした」そうだ。

 妻の鞠子さんは看護師として仕事をしており、育休後は仕事に復帰。経済的にも精神的にも彼は助けられていたという。

「何も不満はありませんでした。このまま家族との生活を第一に暮らしていければそれでいい。そう思っていたんです。それなのに5年前、何かが狂ってしまった」

 仕事で知り合った8歳年下の他社の美結さんと深い仲になってしまったのだ。これまた、相手からのアプローチだった。断り切れない性格が仇となった。

「美結から『ご飯に連れて行ってくださいよう』と言われて、食事に行ったんです。そうしたら彼女は酔ってしなだれかかってくる、帰り道で手を握ってくる。あげく、『帰れない、送っていって』と。そのまま彼女の部屋に連れ込まれた感じです。彼女、恋人と別れたばかりで寂しかったみたいで。結婚していてもいいの、結婚しているから好きなのと言われて、なんだかわからないけど、僕もその気になってしまった」

「ウェディング」写真

 美結さんはかなり強引にプッシュしてきたようだ。あるとき、「田舎の親がうるさいから結婚式みたいな写真を撮って送りたい。そうすれば親も何も言わなくなるから」と美結さんに写真館に誘われた。既婚者がそんな写真を撮るのは常識的には考えられないが、美結さんに「お願い」と言われて断れなかったのだという。

 貸衣装を身につけて写真を撮った。そういえば自分は結婚式をしていないから、こんなタキシードを着たこともなかったなと勇喜さんは少しうれしかったそうだ。

「バカですよね、今考えれば。どうしてあんなことになったのか、自分でもよくわからないんです。鞠子に不満はなかった。当時、娘は6歳と4歳。かわいい盛りです。家で娘たちと遊ぶのが楽しかったのに、次第に美結の暴走に巻き込まれていました」

 美結さんは結婚式風の写真を、いつの間にか調べて把握していた鞠子さんのSNSアカウントに送りつけた 。勇喜さん自身はSNSを使わない。ある日、妻から「これは何?」と言われてスマホを覗き込むと、その写真があったのだ。勇喜さんの顔ははっきり写ってはいなかったが、妻が見ればすぐわかる。彼の左手の甲には少し目立つ傷跡があるのだ。

「どうして私のSNSにこんな写真が来るわけ? と鞠子に言われて、僕自身、何がなんだかわからないと言うしかなかった。私とは結婚式もしなかったくせに、そして既婚者なのにどうして結婚式みたいな写真を撮っているのよと鞠子は激怒。そりゃそうですよね。軽率でした。『仕事で知り合った子が、写真さえ撮れば親を納得させられるから、と言ってて』と本当のことを言ったんですが、『それをどうして私のSNSに送るわけ?』と言われると返事ができない。私への挑戦状ってわけね、と鞠子がつぶやきました。いや、そういう意味じゃないと思うと言うと、どうして庇うのと言われて」

 妻には「離婚するしかないわね」と言われた。バッサリ斬られた気がした。そうだ、いつだってこうやって母にバッサリやられてきたんだと、子どものころからモヤモヤしていた気持ちが再発した。

「明らかに僕が悪いのはわかっているんだけど、なんだかもう、すべてがどうでもよくなっていきました。子どものころからずっと疲れていた、何もかも嫌だ、消えたいと思ったわけです」

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