「一度は5千万円取り戻した」 山上容疑者の伯父が明かす統一教会との金銭トラブルと“凄絶ネグレクト”

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お金を取り返しても再度寄付してしまう母

 伯父が再び語る。

「そりゃあ、統一教会憎しになりますよ。(寄付として家から)持って行かれてしまったのが、1億数千万円はある。私はね、(徹也を含む)3人の甥と姪の依頼でそのうちの5千万円を統一教会と交渉して09年に取り返したんですよ。訴訟みたいなとろい手段ではなくて、直接ね。しかも、教会との間で交わした和解書もあります。でも、取り返した金を母親に戻すと、また、そのまま寄付してしまうんです」

 今回、凶行に及んだ徹也の思いをこう代弁する。

「(徹也は)生活だけではなくて、命まで奪われかけた。普通に見たら、母が統一教会に納めた金が安倍に流れていると、そうなりますわな。生活が苦しいときに私が母親に送っていた生活資金だって全部、教会に流れている。統一教会の言っていることなんて全部でたらめですからね。全部ね」

「うちの妻を勧誘することも過去にあったみたいで…」

 山上家、そして伯父とトラブルを抱えていたことについて、統一教会の広報は、

「(徹也の)お母さんは1998年に入信しています。(トラブルについては)私どもがお母さんと接触できていないため、お答えできません」

 実は事件発生直後、徹也の実家から一人の人物が警察やメディアの目をかいくぐり、“脱出”していた。徹也の母、その人である。

「射殺事件の起きた日の午後、母親は実家にタクシーを呼び、密かに大阪府内の一軒家に向かっていることが確認されています」(捜査関係者)

 彼女が向かった先がこの伯父の自宅だった。

「事件後はすべてが大変やからね、私が呼んだんですよ。いまうちの部屋におりますけどね、元気ですよ」(伯父)

 伯父は元総理を射殺した凶悪犯をかばい、その遠因を作った母をかくまう。

 先の親族がうつむく。

「(徹也の母が)うちの妻を勧誘することも過去にあったみたいで、彼女からの連絡は拒否していました。この状況であってもあの母親とは話したくないんです。でも子どもにとって、母親は絶対なんでしょうね。なんぼ憎くても母親を撃つことはできへん、だから安倍さんを撃った。そうじゃないかと思えてきて……」

 呪われた一家の中で鬱積してきた積年の恨みと歪んだ愛憎の念に打ち砕かれた「政治家・安倍晋三」。あまりに突然すぎる人生の幕切れだった。

週刊新潮 2022年7月21日号掲載

特集「元総理射殺犯『呪われた一家』の全履歴 自殺の連鎖が生んだ『安倍=統一教会』歪んだ憎悪」より

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