終わらない「コロナの脅威」という無限ループ 熱を出すことさえ許されない日本の「空気」(ネットニュース編集者・中川淳一郎)

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おかしな出来事

 これらの事態を総括すると、身も蓋もないが、「日本人は幼稚」「日本人は馬鹿」「日本人は臆病」「日本人ほど全体主義・共産主義がハマる国はない」ということになるが、ここで一旦、普段では考えられない、冷静に考えたらおかしな出来事を振り返ってみよう。

【田舎による都会人差別】
 静岡県と神奈川県の県境には静岡側が端的に言うと「こちらに来るな」という看板を出した。初期の頃、青森県で里帰り出産をしようとした東京在住の女性は2軒の病院から断られ、「たらいまわし」になった。岩手県でまだ陽性者が出ていない頃、帰省しようとした若者が父親からLINEで「絶対に帰るな」「岩手1号はニュースだけではすまない」と書かれたスクショを公開し、衝撃が走った。また「他県ナンバー狩り」も発生し窓のところに「他県ナンバーですが、県内在住です」と書かれたフリップを置く例も出た。

【謎マスクルールの誕生】
 飲食店の場合は、「入る時」「席に着くまで」「飲み物が来るまで」はマスクを着用し、その後は外す。しかし、トイレへ行く時と会計時と退店時は着けるのである。まったく合理性がない。飛行機では、マスクの徹底着用が求められているにもかかわらず、なぜか機内飲食サービスがあるのも謎である。テレビが謎の証明なのだが、歌番組で密集している場合はそのメンバーらはマスク不要。そして、芸能人と一般人が出る場合は、一般人のみマスクをしている。ロケ先でもマスク、スタジオではノーマスクというのも意味不明。マスクに関する謎ルールは多過ぎてここでは書ききれない。

【黙〇の爆誕】
 福岡のカレー店が「黙食」という言葉を開発し、青地に白抜きのポスターをダウンロードできるようにした。以後、このデザインのポスターが各地の飲食店に貼られるように。その後「黙浴」「黙蒸(サウナ)」「黙乗(バス)」「黙筋トレ」「黙煙(職場での喫煙)」「黙歯磨き(職場)」「黙化粧直し(職場)」など、何につけても「黙〇」は使われるようになった。

【刑務所化する学校と学内マスク警察】
 机の周りにはビニールシートが置かれ、給食は「黙食」。体育の授業中も2022年春まではマスク着用が当たり前。体育館や教室から、「リモート修学旅行」に生気のない顔で参加する生徒達も報じられた。運動会では「玉入れの玉は一人4個」「組まない組体操」「2メートルのバトンでリレー」などが登場。極めつけは「感染対策競争」なる競技。借り物競争の一種だが、紙に書かれた感染対策グッズを観客からGETし、ゴールへ向かう。「ワクチン」と書かれた紙を引いた児童は白衣を着た校長のもとへ行き、ワクチンを打ってもらうふりをし、「接種済」と書かれた紙を持ってゴールへ向かう。普段でも、マスクをしていない子は教師・上級生・同級生から「マスクしろ」と怒られる。そしてマスクをしない子の親は学校へ呼び出され、教師や保護者から糾弾される。

【PCR陽性者が出たら試合延期・参加不可】
 高校野球、高校ラグビーは陽性者が出た場合は不戦敗に。プロ野球でも今シーズン開始時は「月1回のPCR検査」だったが、陽性者が出たチームが試合不可状態となってその措置を辞めるかと思いきや「2週間に1回」に変更し、さらに「毎週」に変更。7月上旬、ヤクルトは27人の陽性者が出て阪神戦は2試合が延期に。

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