終わらない「コロナの脅威」という無限ループ 熱を出すことさえ許されない日本の「空気」(ネットニュース編集者・中川淳一郎)
神話
その後、日本のワクチン接種率とブースター接種率は激増し、ワクチン開発国のアメリカを完全に上回り、さらには、人口当たり陽性者数もアメリカを超えた。だが、日本国民は「真面目な国民性でマスクを着用し、律義にブースター接種をしたからこの程度の被害で済んだ」という神話を信じている。だがな、陽性者数、アメリカよりも圧倒的に多いのよ……。そして台湾・韓国というブースター接種率の先進国の陽性者数もすさまじいのよ……。
一体なんなんじゃ? コレは? と呆れてしまうが、一旦ここで日本におけるこの馬鹿騒動の大きなきっかけを列挙しよう。
・タクシー組合の屋形船新年会で初のクラスター発生(2020年1月)
・安倍晋三首相(当時)、全国一斉休校を指示(2020年3月)
・大阪のライブハウスでクラスター発生(2020年3月)
・K-1GP、さいたまスーパーアリーナに3万人の観客を入れて実施と発表(2020年3月)
・志村けんさん死去(2020年3月)
・東京五輪一年延期決定(2020年3月)
・マスク足りず、ドラッグストアに行列発生(2020年3月)
・トイレットペーパーを求め、行列発生(2020年3月)
・アベノマスク配布決定(2020年4月)
・東京都が緊急事態宣言発令(2020年4月)
・西浦博氏、「行動制限を全く取らなかった場合は、流行収束までに約42万人が死亡する」シミュレーション発表(2020年4月)
・岡田晴恵氏「モーニングショー」(テレビ朝日系)で「これはやっかいなウイルスなんですねえ、人を見たらコロナと思えという感じになっちゃうわけですから」発言(2020年4月)
・岡江久美子さん死去(2020年4月)
・この間「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)がPCR検査の拡充を主張しまくる
・東京や大阪の繁華街で「見守り隊」が登場し、行動自粛を呼びかける(2020年夏)
・北村義浩氏、「マスクはパンツだ。人前で取るな」と発言(2020年11月)
・ワクチンの効果が「95%」と喧伝(2020年末~2021年初頭)
この馬鹿騒動の結果、私自身も経験したが、この2年半以上、日本では熱を出すことが許されない状況が続いている。何しろ、病院に行けば、入り口近くに体温計があり、そこで体温を測られる。その数値が37度や37.5度を超えていれば病院に入ることすら許されない(この差は病院による)。すべて「熱が高いものはコロナ陽性の可能性があるため、指定病院・発熱外来以外にはいけない」という制度上の問題だ。
[4/6ページ]