安倍元総理の命を奪った“現代版の火縄銃” ミリタリー雑誌編集長が解説

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2連装にしていたのは、1発目が外れることまで想定のうえだった?

 要するに、作ろうと思えば誰でも作れる代物だという。

「火薬は花火に使われる黒色火薬でしょう。着火は電気式で、プラスとマイナスの電極を火薬につなぎ、スイッチを押してショートさせるだけ。弾丸はガチャガチャのカプセルか何かにパチンコ玉のようなものを複数入れたと思われます」(同)

 元首相の命を奪った武器は、身近にある素材だけで作られていたのである。一方で、

「弾を真っすぐ飛ばして確実に対象に当てるのは案外難しい。だから初弾を外しても2発目を撃てるよう、銃身を2連装にしたのでしょう」(同)

 事件前に試射を繰り返していたことからも、強い殺意があったのは明白だ。

 今回の事件により、アメリカのような銃社会でなくても、強い殺意を持つ人間がいれば、こうした犯行を起こせることが露呈したともいえる。

 世界有数の治安の良さが、国際ランキングなどで評価されることの多い日本だが、その評判にも影を落とす凶行だった。

撮影・吉川 譲

週刊新潮 2022年7月21日号掲載

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